2013年3月8日金曜日

SSメモ:魔法戦国群星伝

魔法戦国群星伝(八岐)

U-1モノです。

……またか、とか言わないでください。えぇ、わかっています。KanonのSSでこれまでほぼU-1モノしか紹介していないことくらいわかっています。もう厨二は飽きたんだよとか、時代は「奇跡って起こらないから奇跡」から「奇跡も魔法もあるんだよ」になってるとか、十分承知の上です。

でもでも何回も読み返しちゃったんですから仕方ないじゃないですか!!(逆ギレ)

Kanonの二次創作でU-1モノという化石のようなSS。っていうか化石といっても過言では無いかもしれない。それでも何度でも読みなおしてしまう魅力がやはりこのジャンルにはあると思うんですよね。ただ、このSSの場合かなりクロスオーバーが多いので、全作品知らない人は結構読みにくいかもしれません。あと当時のお約束的な展開とかも多々あるので、なろうでSSを読んで育ってきた世代には厳しいかも。ただ、だからこそ余計に読んでほしいなと感じる作品でもあります。特に今の作者さんには。なにせ今のテンプレにつながるような要素がたくさんあるので、その原点を知る意味でも。歴史的経緯を知れば、今後自分がどうアレンジすればいいのか考えることができるので。あながちこうしたSSやラノベの歴史を知ることは書き手にとってかなり有用ですよ。どうしてツンデレが生まれたのかとか調べると面白い。

と、余談はさておき。このSSのストーリーについては語りません。なんかこの手の作品はあらすじ言ってもだいたい似通ってしまうので。ただ戦記と王道ファンタジーをブレンドしてお話を進めるという感じの結構ややこしいSSとだけ言っておきます。物語の構造を勉強している人からすれば、たぶんダメダメな点数をつける気がしますが、こういうフリーダムな感じのSSの方が見てて楽しいですね。キャラは原作あるので当然立っているし、過去話やストーリーの二面展開なんかは、当時とてつもなくわくわくして更新が待ちきれませんでしたね。

ただ大変個人的なお話をしてしまうなら、このSSのエピローグが大好きです。もちろんSSの本編自体もすごく好きで、物語に引きこまれた時なんかは時間を忘れてSSを読み返したりしたこともあるわけですが、それ以上に一つの物語が終わった際の最後に語られるその後の世界が大好きで仕方がありません。ラノベで言えば本編よりも後日談。ゲームで言えばファンディスク。蛇足と評されようがなんだろうが、一つの世界がその後も続いているあの読後感こそに、自分は言い知れない震えるほどの魅力を感じているわけです。エタる傾向が高い長編SSだったからこそ余計にその後の世界のお話に焦がれているのかもしれません。

そんなわけでこのSSを絶賛おすすめ。ちなみに作者の八岐さんは今ではあまり物語を書いておらず、もっぱらラノベレビューをしています。それはもう圧倒的な量と質のレビューがあり、もし気になるラノベで購入を悩んでいたら、ぜひ八岐さんのレビューを読んでみてください。自分もいつも参考にさせていただいています(笑) なにげにこのブログも少し八岐さんの影響を受けて、このような少し長めのSSレビューしているわけで、ある意味では八岐さんが存在しなければこのブログも存在しなかった……はず。この場をお借りして感謝の意をこっそりと表したいと思います。