2012年9月6日木曜日

SSメモ:じゃぷにか闇の日記帳


じゃぷにか闇の日記帳(男爵イモ)

まずは落ち着こう。。
大丈夫、素数を数えるまでもなく頭は冷えてるし、目薬を差すほど目は疲れていない。
よし、このSSのタイトルをもう一度見てみよう。


じゃぷにかやみのにっきちょう。


ち ょ っ と 待 て 。


おいおい、冗談でなくなんだこのタイトルは。
ふらふらとSSサイトを周り、面白いSSないかなーと彷徨っているときにこんなタイトルみてしまったら、迷わずクリックしてしまうではないか!!

なんという作者の罠。
仕方ない、つられてサイトを開いてしまったのは自分だ。ここはこの作者のタイトルセンスに敬意を払って、読んでやろうじゃないか。たとえこのSSが普段は読まない一発ネタの短編SSだろうがリリカルなのはのSSだろうが、どんとこい!!


……どんと涙腺に来過ぎだ馬鹿野郎(泣)


うわぁ、これまたなんというか、リリカルなのはのSSで類を見ない話の構成です。
なのはSSって個人的なイメージなんですが、どうしても戦闘に偏ったSSかほのぼの日常のSSになる傾向が高いんですよね。あまり泣きの要素が入らないというか、楽しいことだけを描くというか……ぶっちゃけると別離を描くSSがなかなか存在しないわけです。その逆の別離しないようにするために奮闘するSSは大量にあるんですけどね。

ところがどっこいこのSS、トコトンそういったことに焦点を当てている気がします。
こういう作品には弱いんですよねぇ。悲劇が好きなわけじゃないんですけど、耐え難い理不尽に抗い、自分のやりたいことを成し遂げる人たちの人生を垣間見ることで、何かしら自分に勇気とか元気とか、そういったポジティブな感情を分けてもらってる気がするんですよ。このSSでも自ら率先して犠牲になり、主を守ろうとする闇の書の守護騎士達の生き様に、感嘆の息を吐き出すくらいにはその在り方に憧れる時があります。こうした思いを仮想体験できるSSは、やはり自分にとって時間を割いてでも読んだ価値があると思えるし、何度も読みなおして改めて自分の中の糧にしたいと思ってしまいます。

タイトルからも想像できますが、割りと作者のセンスがはちきれてます。
いや、むしろタイトルはほんの序の口で、セリフからキャラクターの造士に至るまで、SSの中で随所に作者の不可思議ワールドが展開されています。そしてそれがまた面白いの何の。読んでて全く秋がきません。だからこそ、このストーリー展開の切なさが増幅して読者の心に這いよってくるんですよね……。