tag:blogger.com,1999:blog-53795649182939141852024-02-09T02:48:41.737+09:00SS詰所オリジナルSSから二次創作SSまで、繰り返し読みたいと感じたSSを忘れないようにメモするためのブログ。<br>おすすめSS紹介も兼ねてますが、基本好き勝手SSの感想を書き残しているだけです。<br>初めての方は<a href="http://sstsume.blogspot.jp/2012/08/blog-post_26.html">コチラのページ</a>をご覧になってください。ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.comBlogger50125tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-40867590935307126342013-05-30T00:18:00.000+09:002013-05-30T00:18:17.517+09:00SSメモ:ショタ勇者様育成計画<a href="http://ncode.syosetu.com/n3722bg/" target="_blank">ショタ勇者様育成計画</a>(めそ)<br />
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ほのぼのだと思った? 残念! 魔王様でした!!<br />
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騙された。<br />
いやー、これは素直に騙された。最初は筆がすべっていたのだと思いました。のっけから女魔王が私より強いやつに会いに行く状態だったり、男勇者がショタすぎて困ったり、レベル1から育っていくシーンがほのぼの過ぎて、完全にこれはこの路線で走っていくものだと錯覚してました。<br />
<br />
話の大筋は女の大魔王がレベル1の勇者を育成して、将来の自分のライバルにしようという光源氏も真っ青な計画を丁寧に描写していくというもの。もちろん修行シーンもありますが、話の要所要所に出てくる魔王様のツッコミ待ちの行動がなんともシュール。いや、お前はっちゃけすぎだろと誰しもが思うこの破天荒な行動に、部下も胃薬がはなせない。うん、どう考えてもこのあらすじの段階でシリアスな話ができるとは思えない() いや、誰しもが思いますよ、これはほのぼの魔王が勇者を育てる育成小説であると。<br />
<br />
勇者の素質も見えて、サブヒロインも登場して、ゆっくりと着実に物語が進み。<br />
そして中盤に差し掛かるわけです。<br />
それはまさしく魔王様全開シーン。別の勇者パーティを蹂躙するその光景はもう凄惨の一言。ここまで容赦なくほのぼのをぶち壊し、一直線にシリアス方向に面舵いっぱいするとは想像していませんでした。<br />
いや、正直に言いましょう。<br />
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ここまでシリアスに方向転換できるとは思ってませんでした。<br />
<br />
これはもう作者のことを侮っていたとしか言い訳のしようがありません。むしろこれはもう作者の切り替えが鮮やか過ぎたと評するべきだと思います。ただし、なんとなく予兆はありました。このままの作風でいけばマンネリ化するだろうなぁ、という気はしてましたし、話の動きとしてそろそろ何か急転するものがあるんだろうなぁ、と漠然とした話の流れは理解していました。しかしですよ、それを理解したとしても、たぶんこんなにガラッと切り替えられるとは思っていませんでしたし、ことネット小説で言えば、それこそ普通は替えられずだらだら話が続いているものです。まだまだ自分のネット小説への理解は浅はかなものなんだと少し反省しています。そしてそれ以上に、まだまだネット小説にはたくさんの可能性が眠っているんだなと希望も見えます。<br />
<br />
シリアスに舵を切ってからは、それはもう話のスピードが加速していきます。王道の武道会。妙なライバルの登場。ひっそり勝利の階段を駆け登る勇者。裏で進む謀略。そして決勝戦でのボス登場、落ちこぼれ勇者の活躍。なんとまぁ、王道的でカタルシスあふれる展開なこと。それでいて決して読者の期待を裏切らない話の筋。もはや序盤のほのぼのなんか忘れて、ただひたすらに読みふけるしかありません。物語に夢中になってのめり込んで、気がつけば頑張れと応援したくなる感情が、たまらないほどにこのSSのうまさを表しています。<br />
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この急展開を選ぶ際に、作者の方はかなり葛藤があったんじゃないでしょうか。ほのぼのでも人気が出ているのに、変える必要があるのか、と。しかし結果としてこの切替は英断だったと思います。これがあったからこそ、その後の物語が加速して、無駄に世界観の風呂敷が広がらずにすんだと思うので。広げようと思えばいくらでも広げられる下地はあるけれども、それをせずに本当に書きたいものを書いた作者の、その選択と集中の決断はネット小説で稀にみる素晴らしいものだと思います。<br />
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完結した作品なので、ぜひそうして形作られた物語の結末を見て下さい。<br />
きっとみなさんも、こう思うでしょう。<br />
デルフォード爆発しろ。ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-53927617273361075972013-04-21T23:45:00.000+09:002013-04-21T23:45:15.832+09:00SSメモ:辺境護民官ハル・アキルシウス<a href="http://ncode.syosetu.com/n2318bo/" target="_blank">辺境護民官ハル・アキルシウス</a>(あかつき)<br />
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ストン、と心に落ちてくるとでも言うんでしょうか。<br />
いやはや、読み終えた瞬間の脱力具合とこれで終わりなのかという疑問の抱き具合がちょうどいい塩梅にブレンドされているこの読後感。何事も「もっと先を」と思わせた所で終わらせるのがちょうどいいという説があるわけですが、まさにその意味が実によくわかるSSでした。小説の終わりにしては少々物足りない感はあるものの、ひとつの完成した物語として見れば完成したパズルのごとくきれいにピースが揃っているので、非常に楽しめるものになってると思います。<br />
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ストーリーとしては特筆するものがない、というのが正直な印象。国でそこそこの官吏をしていた主人公のハルが、ある貴族の不興を買ってしまい、辺境に飛ばされたところからストーリーが始まるというのが大筋の流れです。おそらく似たようなシチュエーションのSSを探そうと思えば簡単に見つかるんじゃないでしょうか。その後の展開もおおよそ既定路線というか、完結まで大きく話を踏み外したものはないはず。少なくとも敬虔なSS読者の人ならどこかで見たようなシチュエーションをころころ見ることになると覚悟した方がいいかもしれません。まぁ、だからといって面白くない、というのは早計というもの。いや、もう少しストレートに表現しましょう。<br />
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面白い。実に面白い。<br />
そして何より「興味深い」。<br />
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これだけ既視感のある展開を組み合わせて、なお面白いと思わせるSSは、長年SSを読んできた自分でもほとんど見たことがありません。特にオリジナル小説になってくると、それはもう脳みそを絞りに絞ってようやく1作か2作出てくるか来ないかくらいしかないと断言できます。一体全体このSSのどこにそう思わせる力があるのか、ついぞ自分にはわからなかったのですが、ただシステム思考的に物語の展開を組み合わせたいならまずこのSSを研究するところから始めると、いろいろ見えてくるものがあるんじゃないかなーと思う次第です。<br />
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このSS、きっと賛否両論なんでしょうねー。<br />
たしかに中盤見慣れた展開が続くし、一つ解決してはまた一つ、といった感じの積立方式で話が進むから、スピーディーで斬新な話の組み立てが求められている現在のSS業界においては、あまり受け入れられないお話かもしれません。けれども自分にとっては逆にそここそがこのSSの魅力なんだと言い張りたい。なにせそれは言い返せば初心者に優しいということでもあり、また見返した際にこれはあとでこう繋がるんだよなー、と先に思いを馳せながら読むことができるからです。特にこのSSは中盤のメインが内政ですから、そこをつまらないと感じるかなるほどと感じるかでかなり意見が別れるでしょう。<br />
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すべてのSSがシリアスである必要はないし、長編でなくてもいいし、厨二よろしくオサレ戦闘をしなくてもいい。そういうことはおおよそ全SS読者が理解していると思います。なにせこの業界、どこかのジャンルが唐突に爆発的に流行ったり、あるいは風船が萎む勢いで駆逐されたりしていったりするので、多様性がないととても存続できません。今では二次創作でよくあるオリ主要素も、過去ではマイナー、というか明らかに地雷要素だったんです。それが現在ではメジャーに昇進しているあたり、この業界の流行り廃れは読めません。だからこそ。このSSのような見慣れた展開が組み合わさったSSがあることは、これからSSを執筆する人の一つの参考になるし、同じくこれからSSを読む人にとっても判断基準として使えるのだと思います。<br />
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いろいろ書いてきましたが、ようするに言いたいことはひとつです。<br />
SS業界では貴重な改訂版を完結させた作品なので、ぜひ読んだほうがいいです(笑)ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-76240174892504229672013-04-10T22:17:00.003+09:002013-04-10T22:17:40.324+09:00SSメモ:ドラゴンクエストUSB<a href="http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=ff&all=13908&n=0#kiji" target="_blank">ドラゴンクエストUSB</a>(ファイヤーヘッド)<br />
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ふ、ふはは、あはははは!!! チャレンジャーだ。生粋のチャレンジャーがここにいる。よくもまぁ自分で黒歴史と認識しているものを公開できるものだ(褒め言葉)。USBに忘れ去っていたというところから来たであろう安直な題名を恥ずかしげ無く披露し、全てを開き直って全力で石投げてこいというウェルカムな状態まで開き直るその勇気、まさに尊敬に値する。しかもおそらく内容はほとんど修正していないのだろう、こういうの妄想したことあるなーというネタや展開がピンポイントに仕込まれていて、これだけオープンであるなら「痛いwww」と笑うよりむしろ「同じ妄想したことあるぜwww」という気持ちが強くなって、次々読み進めてしまう。これほど痛面白い作品がほかにあるだろうか。<br />
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本作品「ドラゴンクエストUSB」は「今のはメラゾーマではない・・・メラだ・・・」のセリフで有名なバーン様が登場する漫画「ダイの大冒険」の二次創作SS。ダイの大冒険自体がドラクエの二次創作なので、もしかしたらドラクエの三次創作といったほうが適切なのかもしれません。逆行・主人公最強・TSとまさにSS全盛期の地雷原がマッハですが、まぁそこまで気になるほどの原作崩壊は少ないのでたぶん普通に読むことはできます。というか普通におもしろいので何度でも読めます。SSってどんなに地雷要素があっても面白く調理しようと思えばできるのだなぁ、と感じさせてくれる素晴らしい作品。ここでもう一つ「普段は力を隠して……」という設定を入れればもう完璧でしたね!() そもそもこれらの要素って時代を作ってきたわけですから面白く無いわけがないのですが、やはり同じネタをどこらかしこもやっていると差別化が必要なわけで。地雷ネタをそのまま使うのではなくて、何かしら工夫を施すだけでかなりいいSSができると思うのですがどうなんでしょう。誰かやってみません?(<br />
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ストーリー自体はすこぶる逆行系の王道で、最強無双、原作沿い展開、主人公支援とまさにSS懐古厨至れり尽くせりの内容。この古き良き設定が、また厨二心と黒歴史妄想を掻き立てる掻き立てる。圧縮→威力増のコンボはもはや鉄板。魔闘士というネーミングと併せてこれはもう厨二乙、でも面白いからもっとやれ、と言わざるを得ません。主人公はポップの生まれ変わりの少女セラであり、彼女が逆行することで物語がスタートします。当然過去の世界にはポップがいるわけで、セラから見たポップがすごく面白い。過去の自分を見るとまさにこういう気持ちを抱くんだろうなと感じます。仲間とのやりとりも、適度な距離感と信頼感があり、そして何よりポップがセラを疑っているという話のもっていきかたは個人的に逆行系の中でも一番バランスのとれた配分だと感じます。まぁ、ここは人それぞれ感覚は違うでしょう。がっつり原作メンバーに関わるのが好きな人がいれば、原作に関わらないまったく別物の展開の方が好きな人もいるでしょうし。自分は面白ければどっちでもいい派ですけど。<br />
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それにしても、誰がどう見ても黒歴史な内容なのに、どうしてこれほど面白くできるんでしょうね。これってかなり重要なことです。正直初めて読んだ時は失礼ながらここまで読み返すとは思っていなかったです。でもいつの間にかふとした時に読み返していたり、ドラクエSSが読みたい衝動に駆られた時はちらっと見たりしているので、本当不思議。痛面白い作品に惹かれているのか、作者の筆力の高さに感心しているのか。真実はいつも謎。ただ言えることは、このSSが逆行王道系として一度は必ず目を通したほうがいい作品であるということ。これ読んで、どこが地雷要素なのか、どこが受ける場所なのか研究すれば、そこそこ作品の質があがると思います。なにせ王道突き進んだ作品ですから。<br />
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ん? なに? 逆行系の王道だったら原作主人公のダイが逆行すべき?<br />
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……。<br />
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<a href="http://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%81%AE%E5%A4%A7%E5%86%92%E9%99%BA" target="_blank">ダイの大冒険の主人公はポップです。</a>ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-85318706860289393712013-04-07T00:43:00.001+09:002013-04-07T00:43:54.533+09:00SSメモ:DARK QUEEN<a href="http://www5b.biglobe.ne.jp/~dww/watan_027.htm" target="_blank">DARK QUEEN</a>(D・W・W)<br />
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昔からある有名作。<strike>上司から理不尽な呼び出しを食らったので</strike>ちょっと「独裁」について考えていたら、ふとこのSSのことを思いついたので読み返したわけですが、相も変わらず面白い。いつ読んでも面白いというのは、本当ネット小説にかぎらずいい物語の条件だと個人的に思っています。アニメにせよ、ラノベにせよ、名作というのはいつ体験しても面白いもの。懐古厨言うなし。<br />
<br />
さてはて、このSSを読み直すきっかけとなった「独裁」というキーワードですが、独裁というのを否定する風潮が世の中にはかなりの割合であると思います。それは独裁が多くの悲劇を引き起こしてきたとか、今日では当たり前の人権をないがしろにしてきたという歴史的経緯を学校なり書籍なり、もしかしたらラノベやアニメ、ゲームなりで学んできたからでしょう。あるいは民主主義が進む世の中において絶対的な決定権、生殺与奪権をもつことに対するやっかみ、嫌悪感といった感情も起因しているのではないでしょう。ある意味では「独裁」という言葉自体に「悪いこと」というイメージが付き纏っているわけです。<br />
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本作「DARK QUEEN」はある独裁者を描いたダークファンタジー。中世文化水準の世界で、とある経緯から人類というには非常に怪しい存在になった少女クラナが人類の頂点に立つためにのし上がっていくわけですが、当然のごとく人を殺したり、必要があれば生かしたりと、まんま絵に描いたような独裁者。しかしだからといってそれが人類にとってマイナスかと言えば、どうも読んでいる限りはそうでもない。むしろ人間の価値を認めたり腐敗している行政を成敗したり、合理性を追求して周りの人からは英雄にも等しい扱いをされています。素晴らしいのはクラナ自身がそうした行動をとることこそが自分の望みを叶える最短距離であると考えており、周囲の仲間もまた彼女のそういった思考をわかった上でついていっているということ。<br />
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ストーリーやキャラクターの魅力もさることながら、個人的に一番好きなのはメイン登場キャラクターの一人が主人公に対して言った下のセリフ。<br />
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「貴方がとても恐い方だとは分かっていました。 ついていけば利用されるのだって分かっていました。 でも、不必要な嘘を付いたり、理不尽な事はしないとも分かっていました」<br />
(<a href="http://www5b.biglobe.ne.jp/~dww/parasite1004.htm" target="_blank">4.ヒトノココロ</a> より抜粋)<br />
<br />
まさにこの一言の中に、自分がこのSSで受けた感銘の全てが入っているといっても過言ではありません。つまり、不必要な嘘をつくことや理不尽な行いをすることは、独裁よりも耐え難いものであると言っているわけです。独裁は「理不尽な行い」をしやすい環境にありますからいろいろと批判されますが、それがなくなってしまえばもはや独裁というのは優れたリーダーによる統率と代わりがないのです。<br />
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民主主義を否定する気はないですし、独裁を賛美するわけでもありませんが、いささかどちらも極端に美化、あるいは卑下されすぎていると感じる今日この頃。どちらが良いとか悪いとかそういうのではなくて、何がダメで何がオッケーなのか1つずつ考えていくことが、もしかしたら重要なのかもしれません。<br />
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それにしても<a href="http://sstsume.blogspot.jp/2012/11/sstuez-les-tous-dieu-reconnaitra-les.html" target="_blank">幼女戦記</a>といい<a href="http://xn--f9j8bxdw60syzcmz5a9gwqt1d/" target="_blank">死神を食べた少女</a>といい、どうしてこう独裁的な少女を描く作品が多いのでしょうか……。ぅゎょぅι゛ょっょぃ。ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-55719574358117788712013-03-11T23:37:00.000+09:002013-03-11T23:37:15.213+09:00SSメモ:小さな魔女と野良犬騎士<a href="http://ncode.syosetu.com/n5765bh/" target="_blank">小さな魔女と野良犬騎士</a>(如月雑賀)<br />
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心温まるハートフルファンタジーともいうべきなのか。なんだろう、実にいい意味でネット小説らしいファンタジーものなんですよね、この「小さな魔女と野良犬騎士」という作品は。アクのない文体に丁寧なシナリオ、一人一人全力で生きている魅力的なキャラクター。本当どれひとつとっても間違いなく5段階評価で4以上はつくでしょう。突き抜けて面白いわけではないけど、安定して読める作品という意味では、たぶん近年の作品でトップレベルだと勝手に思っています。もちろんシリアスで、理不尽に人が死んで、ハーレムで、ご都合主義な展開もある程度は存在しますが、だからこそ逆にファンタジーに対する安心感というか、「そうそうファンタジーにこういうの求めていたんだ」と思えるというか。<br />
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このSSの主人公であるアルトは暗い過去を持ち、戦闘力はかなり高く、でも普段は力を露見させないというネット小説のテンプレの極みを地でいっていますが、作中ではお人好し、ロリコン、ヒモ、ニートと作中で散々罵られているため、正直あんまりそういうところ意識しません。というか読み終わって初めて気づいたレベルです。初見だと間違い無くろくでもない「だめんず」なんですよね、こいつ。実際作中の行動の半分くらいは本当にろくでもないし。ただやる時は本当にやるもので、言葉や行動、そして己の信念を曲げないその矜持が凄まじくかっこいいです。ここまで男らしい、少年漫画の主人公にも劣らない「熱さ」を秘めている主人公ってあんまりいないんですよね。だからこそ余計に普段のダメ具合が目立つわけですが(笑)<br />
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そんなアルトを取り巻くヒロインたちですが、これまた揃いも揃ってだめんず好きというダメっぷり。おそらくメインヒロインである魔女のロザリンやニートに餌をやる宿屋の看板娘カトレアとか、これもう完全にだめですわー。世話する喜び覚えちゃってるレベル。冒険者ギルドのサブマスタープリシアとかもはや信者。もちろん本性とかを知った上で主人公とヒロインたちの関係を眺めてみると確かに惚れるのもしょうがないなーと思うわけですが、知らない人から見たら勤勉で真面目で心優しいあの人が、どうしてこうなった状態。ちなみに余談ですが、そういう人ほどだめんずにハマる原因は、たいてい抑圧された自己表現に対する尊敬(自分はダメな部分を人に見せられないのに、あの人は誰にでもオープン。自分にできないこと平然とやってのける、すごい→すてき→抱いての連鎖)らしいですね。思い当たる人は注意しましょう。<br />
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さておき。個人的にこういうヒロインってなにげに好きなんですよね。正確には主人公とヒロインの関係性といいますか。ヒロインそれぞれにちゃんとアルトのことを好きになる理由があるんですよ。直接お話として記述されてるものもあれば、匂わせる描写でとどめているだけのものもあるため、完全にそうだとは言えませんが、たぶん読んでいる感じでは単なるいい男に惚れた、ではないんですよね。あれだ、やさしいから惚れたとかそうじゃなくて、やさしいところもだめなところもたまに辛い顔するところもかっこいいところも全部ひっくるめてこの人がいいから惚れたって感じです。どれか一つの要素でも欠けていたら、きっと惚れていないんだろうなぁ。<br />
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矜持、というのがたぶんこのSSのキーワードです。様々な人物が自らの矜持を誇り、それに従って対立し、ぶつかりあって決着を付ける。こうした一連の展開は目が離せないどころか、その先はどうなっているのか、何が矜持を支えているのか、のめり込んでしまうほど。特に第一部最後の人の命に関する矜持の持ちようは、どちらも正しいようで、どちらも間違っているようで、善悪の二極論でこの世は語れないんだなぁとしみじみ感じてしまいます。現在第二部に入って、いろいろ世界観が明らかになってきたため、これから先の展開にかなり期待しています。ついに国内だけでなく国外にも話が及び、べたですが主人公の過去に触れる内容も出てきて、まさにこれからと言ったところ。……ただ不安があるとすれば、経験上このあたりがネット小説の中でも最もエタりやすくなる時期なので、作者の如月さんにはぜひ踏ん張って欲しいです。ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-60331313273727015752013-03-08T16:32:00.000+09:002013-03-08T16:32:05.923+09:00SSメモ:魔法戦国群星伝<a href="http://yamata14.web.fc2.com/ssroom/gunseiden/gunseiden.html" target="_blank">魔法戦国群星伝</a>(八岐)<br />
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U-1モノです。<br />
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……またか、とか言わないでください。えぇ、わかっています。KanonのSSでこれまでほぼU-1モノしか紹介していないことくらいわかっています。もう厨二は飽きたんだよとか、時代は「奇跡って起こらないから奇跡」から「奇跡も魔法もあるんだよ」になってるとか、十分承知の上です。<br />
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でもでも何回も読み返しちゃったんですから仕方ないじゃないですか!!(逆ギレ)<br />
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Kanonの二次創作でU-1モノという化石のようなSS。っていうか化石といっても過言では無いかもしれない。それでも何度でも読みなおしてしまう魅力がやはりこのジャンルにはあると思うんですよね。ただ、このSSの場合かなりクロスオーバーが多いので、全作品知らない人は結構読みにくいかもしれません。あと当時のお約束的な展開とかも多々あるので、なろうでSSを読んで育ってきた世代には厳しいかも。ただ、だからこそ余計に読んでほしいなと感じる作品でもあります。特に今の作者さんには。なにせ今のテンプレにつながるような要素がたくさんあるので、その原点を知る意味でも。歴史的経緯を知れば、今後自分がどうアレンジすればいいのか考えることができるので。あながちこうしたSSやラノベの歴史を知ることは書き手にとってかなり有用ですよ。どうしてツンデレが生まれたのかとか調べると面白い。<br />
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と、余談はさておき。このSSのストーリーについては語りません。なんかこの手の作品はあらすじ言ってもだいたい似通ってしまうので。ただ戦記と王道ファンタジーをブレンドしてお話を進めるという感じの結構ややこしいSSとだけ言っておきます。物語の構造を勉強している人からすれば、たぶんダメダメな点数をつける気がしますが、こういうフリーダムな感じのSSの方が見てて楽しいですね。キャラは原作あるので当然立っているし、過去話やストーリーの二面展開なんかは、当時とてつもなくわくわくして更新が待ちきれませんでしたね。<br />
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ただ大変個人的なお話をしてしまうなら、このSSのエピローグが大好きです。もちろんSSの本編自体もすごく好きで、物語に引きこまれた時なんかは時間を忘れてSSを読み返したりしたこともあるわけですが、それ以上に一つの物語が終わった際の最後に語られるその後の世界が大好きで仕方がありません。ラノベで言えば本編よりも後日談。ゲームで言えばファンディスク。蛇足と評されようがなんだろうが、一つの世界がその後も続いているあの読後感こそに、自分は言い知れない震えるほどの魅力を感じているわけです。エタる傾向が高い長編SSだったからこそ余計にその後の世界のお話に焦がれているのかもしれません。<br />
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そんなわけでこのSSを絶賛おすすめ。ちなみに作者の八岐さんは今ではあまり物語を書いておらず、もっぱらラノベレビューをしています。それはもう圧倒的な量と質のレビューがあり、もし気になるラノベで購入を悩んでいたら、ぜひ八岐さんのレビューを読んでみてください。自分もいつも参考にさせていただいています(笑) なにげにこのブログも少し八岐さんの影響を受けて、このような少し長めのSSレビューしているわけで、ある意味では八岐さんが存在しなければこのブログも存在しなかった……はず。この場をお借りして感謝の意をこっそりと表したいと思います。ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-42819879807455494072013-02-27T23:41:00.001+09:002013-02-27T23:41:45.512+09:00SSメモ:遊戯王GXへ、現実より<a href="http://tomorrow708.blog.fc2.com/blog-entry-1.html" target="_blank">遊戯王GXへ、現実より</a>(葦束良日)<br />
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にじふぁん時代は何回か読み返していた作品。最近になってまた発見したので、改めて読み返してみたらだいぶ伏線やら過去やらがいろいろ回収されていたので、これはもう感想を書かずにはいられないと思いたち、衝動書き。あれ、なんか<a href="http://sstsume.blogspot.jp/2013/01/ss_9.html" target="_blank">前</a>にも似たようなことやったきがする。。。<br />
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はてさて、そんなことはさておき。遊戯王モノですよ、奥さん。あの原作からして破茶目茶で、アニメに至っては超展開満載な、だけれどもそれを楽しむ術さえ身につければ全てが面白くて仕方のないあの国民的カードゲーム(?)の遊戯王ですよ。なんでこんなテンション高いのかというと、自分が元OCG(現実のカードゲーム)のプレイヤーでして、何回かいろんな大会に出たりしてたからなんですよねー。そんなわけでして、人一倍遊戯王には関心があるわけです。<br />
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……が。<br />
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いかんせん、この手のジャンルを書くのってすごく難しいわけで。SSってゲームやスポーツを描写するのがすごく大変なんですよね。漫画だと一目見ればわかることを、延々と文字で描写しなければならないので。しかもこと遊戯王みたいなゲームになると、カードの効果とかも解説しないといけないわけで、読者が戸惑ってしまうわけです。正直並の遊戯王SSを見ても、大抵の読者はつまんないなーと思うかもしれません。さらにいえば、遊戯王は遊戯王デュエルモンスターズ、遊戯王GX、遊戯王5D's、遊戯王ZEXALなどアニメだけでも4つあり、全て総合すると登場人物は通常の作品の4倍、5倍にも膨れ上がり、カードの種類にいたってはOCG、アニメ、そして漫画それぞれのオリジナルのものがあるため、もはや覚えきれません。さすがカードの販売数でギネス記録を保有するだけのことはあります。……こう書いてて今更なわけですが、読者にも筆者にも結構厳しい作品ですよね。<br />
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とりあえず遊戯王自体の話はいいとして、SSの話に移りましょう。<br />
このSSはアニメ第2シリーズである遊戯王GXを中心に話が展開するものです。たぶん一番二次創作SSの中でも多い設定なんじゃないでしょうか。同時にGX知らないよ、という人も多いですが。トリップ、オリ主という要素があるため毛嫌いする人も多いかもしれませんが、正直遊戯王SSの中でもトップクラスに面白いと思います。主人公の遠也がシンクロ召喚(アニメ第3シリーズの遊戯王5D'sで登場する新しいモンスター召喚方法)のテスターという設定もなかなかおいしい。この設定だけでGX時代にはなかったシンクロ要素をうまく溶けこませることに成功させています。<br />
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ストーリーは基本的にアニメ準拠ですね。原作主人公の十代がデュエルする場所で、代わりに遠也がデュエルすることも多いですが、それでも充分十代にも見せ場があります。遠也は俗にゆう親友ポジションに落ち着いているのかな? なので辺にでしゃばることもないし、十代や他のキャラが埋もれるということもないです。むしろ原作より三沢が輝いているのである意味では原作以上にキャラがいきいきしているかもしれません。<br />
話が中盤になってくると、主人公の過去話や5D'sとの絡みが出てくるので非常に盛り上がります。ここでそのキャラか!!と思わせられることまちがいなし。事実、自分はびっくりしました。そして同時にやられた、とも思いました。そういう設定でそういうストーリー展開の方法があったのかと、ただただ関心しましたね。<br />
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現状は遊戯王GXの3期(1期が一年生、2期が二年生、3期が三年生前半)なんですが、これがまた重い話の連続なんですよね。鬱展開あり、闇堕ちあり、多方面同時ストーリー展開あり、というアニメ史上でも稀にみるシリアス具合。ある意味では自分がもっとも好きなパートなんですけど、ここをどう描ききるのか非常に気になっています。またついに主人公の過去話も明かされ、初代主人公遊戯の圧倒的強さも解禁されたので、これからどうなっていくのか全く話が読めません。今後目の話せない展開になることが容易に想像されるので、これからちょっとずつ覗いていきたいと思います。ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-90880110793098797502013-02-15T17:07:00.000+09:002013-04-10T22:23:19.456+09:00SSメモ:陶都物語<a href="http://mafmaf2.web.fc2.com/tajimi_index.html" target="_blank">陶都物語</a>(まふまふ)<br />
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ふぃく……しょん? だよね?<br />
え、あれ、これ現実には起こっていないよね? うん、そうだ。そのはずだ。時代小説でもあるまいし、そもそも転生モノなのだからそれが当たり前なはずなんだ。<br />
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なのに、SSが醸し出すこの異様なまでの現実感はどうしたものか。<br />
<br />
まるで経済小説の大作を見ている気分ですね。いや、本当びっくりです。沈まぬ太陽とか不毛地帯とか、見るだけで現実のものと錯覚しそうになる書籍はあれど、SSでこれほどまでにリアルに迫った転生モノとかほぼ見ないんじゃないでしょうか。それもそのはずで作者の方、完全にこれ下調べどころか、もはや歴史研究の域に達しているほどに資料を読み漁ってるよ。これほどまでに情熱を注ぎ込んでひたむきに一つの物語に向き合っているのだから、それが面白くないわけがない。<br />
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舞台は江戸末期、明治で花咲く美濃焼の本元に転生した主人公の草太が内政チートではなく陶磁器チートで成り上がる(?)物語……のはず。なんというかチートはチートなんですが、あんまりSUGEEE系ではないんですよね。もちろんそういう要素も満載なはずなんですが、他の作品に比べて地味というか。それもそのはずで舞台はおちゃらけた異世界なんかではなく江戸。江戸といえば人権宣言びっくりの人権無視社会ですよ。そもそも差別格差万歳の時代で、人情や義理と言った要素はあるものの、そんなもの物語として成り立つほどに珍しい時代です。そしてそれ以上に立場の縦割り社会(武士の子は武士)がひどく、商人の家に生まれなければ商売すら成り立たない状況。そんな世界でやっていくためには、本当足元からこつこつやっていくしかないんですよね。異世界なら普通飛ばされる描写も、こちらでは非常に丁寧に泥臭く描いているので、本当その苦労が忍ばれます。異世界で現代知識披露してポンと金出るのがいかにご都合主義か。<br />
<br />
この作品で語らずには居られないのが主人公の草太以上に、草太が執着している陶磁器。作者の陶磁器に関する知識が本当に半端ない。もはやその道の人としか思えないほどにリアルなんだけど、どうなんだろうか。江戸時代にはほぼ美濃焼の価値なんてあってないようなものなんですけど、有田焼や瀬戸物なんか現在海外でも評価されているのを見ると、まさにこの時代にブランド化に成功すればノリタケやウェッジウッド顔負けのモノができるでしょうね。草太がそこに活路を見出していくあたりはさすが元中小企業経営者というべきか。ただ問題はブランドの概念がまだこの時代では世界的に見ても薄いこと。果たしてそれを克服できるか否か。<br />
<br />
草太が6歳にして胃潰瘍(原因:ストレス)の恐怖に怯えながら出世していく姿は見てて実に気持ちいいんですが、その裏で初恋の女の子との別れやお家騒動があったりと、いろいろ切なさのグラデーションがかかっています。これらの要素がまた随所でいい働きをしているおかげで、単なるなり上がり物語ではなく、まさしく努力の末に駆け登っている物語という印象が出てきて、続きが読みたくなってきます。しかし成り上がっているのは間違いないんですが、成り上がり過ぎると江戸幕府と共倒れというなんとも歯痒い状況が気になります。この調子でいけば明治維新起こらないんじゃね? という疑惑が浮き出てるのがすごく怖い……。<br />
<br />
草太自身のキャラは実に汎用的な主人公だし、周りのキャラクターも取り立てて特筆するほど濃いわけではないんですが、するりと物語に溶け込んでこちらにその存在感を植え付けているのは作者の力量か。現代の安易に記号化されたキャラクターはほとんどおらず、ある意味ではそれがつまらないほどに生々しい。通訳の人なんてそれこそまさにこんな人がいたんだろうなぁ、と思うくらい行動がリアルで、うっかり草太が言ってしまう英語を誰に学んだのか即座に聞きに行くほど。優秀な人ってたしかにこういう行動するんですよねぇ……。こういう些細なところでもリアルを感じるからこそ、この物語全体が非常に繊細で生々しい現実感を醸しだすのかもしれません。ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-789171113086573992013-02-08T18:24:00.001+09:002013-02-08T18:24:30.621+09:00SSメモ:ヴァルハラ学園物語<a href="http://kuontenrin.ehoh.net/starlibrary/novels.html" target="_blank">ヴァルハラ学園物語</a>(久櫛縁)<br />
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たぶんに思い出補正も強く影響していますが、いまでもちょくちょく読み返しているのがこのヴァルハラ学園物語シリーズ。典型的な学園ファンタジーモノで、現在のテンプレにつながる要素もチラホラ。星の図書館というサイトに掲載されていたので、そちらの名前で知っている人の方が多いかもしれません。<br />
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基本的に話しの内容はコメディで構成されています。苦労人主人公のライルが周囲の仲間が読んでくるトラブルに巻き込まれてひぃひぃ言ってる感じ。たまに自爆してたり。ノリが完全に中学生なので、展開も文体も今読み返せば苦笑いせざるを得ない箇所もいくつかあったりします(爆発オチとか文字の大きさ変えるとか)。それをつまらないと判断するか生暖かい目で見るかは読み手に委ねますが、個人的には当時のお約束、というものを懐かしがりながら読むと結構楽しめると思います。もちろん元々の内容も面白いので、初めて読む人も文体に対する嫌悪がなければのめりこめるはず。<br />
<br />
しかしギャグ・コメディ小説につっこむのはやぶさかなんですが、主人公のライル以外まともな人がいないのはどういうことだw ヒロイン(?)の暴走魔法少女のルナ(決して暴力ヒロインではないと信じたい。原型ではありそうだけど)はもちろん、脳筋大食らいのアレンに女装趣味の王子クリスといったパーティメンバーの個性豊かさといったら、さぞ苦労しそうだなぁと思わされるメンツばかり。そこに精霊のシルフィもまじってどんちゃん騒ぎなのだから、ライルの苦労が忍ばれる。そして一番涙するのはもうそういうポジションでいいよと諦めがついているライルの達観根性ですねー。ストーリー中、一瞬だけ反抗期になるわけですが、即座に元通りのポジションに戻るあたり、本当そういう星の下で生まれたと思わないとやってられないのかもしれませんが。<br />
<br />
ただ、この作品を語る上でやはり避けられないのが外伝や番外編の存在。大昔の勇者ルーファスが蘇ったの話やその子供の話もさることながら、勇者が魔王を倒す旅をダイジェストに掲載している「ゆうしゃくんとなかまたちシリーズ」は傑作もの。正直個人的には本編よりこっちの方が好きだったりします。本編と同じく基本ギャグ・コメディな作風なんですが、たまに出てくるシリアスで切ない話が尋常じゃないくらいの破壊力で襲ってくるので、油断なりません。この話を読んで改めて本編を読んだ時、こういう平和な生活ができているのは過去にこういうことがあったからなんだなぁ、というのをしみじみ感じさせてくれます。でもやっぱりギャグものなので笑っちゃうんですけどね!ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-55465630327934543832013-01-25T23:34:00.003+09:002013-01-25T23:34:58.108+09:00SSメモ:天葬の聖痕<a href="http://www16.atpages.jp/siga/header.html" target="_blank">天葬の聖痕</a>(志賀あきと)<br />
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最近の厨二SSと昔の厨二SSを比較して特に面白いと思うのは、主人公が力を持つようになった経緯の描写方法の違いですね。最近のSSは「なぜ主人公が強くなったのか」を説明していることが多いと思っています。それが神様チートであり、転生した主人公の幼児時における修行シーンであれ。最近はそこに経験値概念とか自分だけが知っている抜け道、とかも含まれるかな? で、それに対して昔のSS(といっても数年前のレベル)って案外そうした描写ってないんですよね。そもそもが強いところから物語が始まっているか、或いは過去回想として描写するかされてたわけです。少なくともいきなり師匠との修行シーンとか主人公が他人と違う方法で成長しているシーンとかから始まるSSはなかった気がするんですよ。一概にどちらがいいとは言いませんが、ただ個人的に厨二感情を満たしたい時に読み返す作品って大抵が後者……つまり昔のSSチックに主人公が最初から強いパターンなわけです。たぶんそれって単純に敵をちまちま倒している描写がまどろっこしいからなんですよね。厨二要素を読むまでに厨二以外のものを読まないといけないというのは案外面倒くさいものです。<br />
<br />
その点でいえば、この「天葬の聖痕」という作品は突発的に厨二要素を摂取したくなった時に読み返すSSとしてパーフェクトなわけです。現代の厨二テンプレの元となった要素がふんだんに取り入れられているのだから、ある意味では当時としては先駆的テンプレ(?)なのかもしれません。なんといっても最近ではあまり見られない奈須きのこや西尾維新あたりをリスペクトしたこの独特の文体。いわゆるご両名のような新伝奇的な書き方って、素人が真似してもただ回りくどい文になるだけになんですが、このSSに関してはその心配がないほどにリスペクト具合が逸脱しています。本当見事としか言い用がありません。もちろん伝奇活劇小説と銘打つだけのことはあり、シナリオの雰囲気もとても魅力的なものに仕上がっています。<br />
<br />
話の筋としては、最強主人公の芙蓉水薙がヒロインの当夜霧を敵対魔術組織から守る感じのものです。いかにもな設定の割に、これが深いところまで過去を練り込んでSSを書いているおかげか、普通の作品なら定番な展開もこの作品ではかなり緊張感があります。主人公が最強なわけですが、それでもできないことはあって、本編中にさりげなく散りばめられた過去話では敵対組織との戦いで仲間が死んだり犯されたりと悲惨な話も垣間見れて、決してご都合主義なだけでは生きていられない世界観が浮き彫りになっています。なので、本当油断ならないお話です。そこがたまらなく読者を惹きつける材料となっている感は否めませんが。不条理な世界で精一杯生きていくキャラクター達が活躍しているからこそ、どうにもストーリーから目が離せないんですよね。<br />
<br />
文体やストーリー、そしてその世界観もさることながら、個人的に一番このSSの肝となっているのは筆者の卓越した格闘に対する知識とそれらを十全に表現しきっている描写力ですね。このSSの世界は普通に魔術とかそういうのがあるわけなんですが、困ったことに魔術よりも肉弾戦に目が言ってしまうというある意味ではファンタジーや伝奇として致命的な欠陥があるという謎具合です。もちろんだからといって魔術の描写が悪いとかではなく、むしろ出てくる魔術師の千差万別の能力は非常に魅力的にうつるわけですが、いかんせん刀を用いた戦闘だとか、細かい体の一挙一動の方が手汗握るくらい夢中になって見てしまうわけです。この点においては個人的に文体の元となった作者のレベルを超えていると感じています。といってもそれと同じくらいコメディパートが笑えるので、真剣に見てたと思ったら思わぬギャグの存在に笑ってしまうというか(笑)<br />
<br />
ちょっと昔の作品なので、もはや更新は絶望的……だったのですが、最近また少しだけ更新しているようなので、1年1話あたりを目安にのんびり読んでいけたらなと思います。まぁ、とはいってもちょっと連載中と表記するには勇気がいるので、とりあえずラベルは連載:停止中にしておきますが、そのうちまた月1とかでもいいので更新してくれると嬉しいですね。ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com3tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-59755871740435717122013-01-16T19:04:00.000+09:002013-01-16T19:04:49.984+09:00SSメモ:魔王『この我のものとなれ、勇者よ』勇者『断る!』<a href="http://maouyusya2828.web.fc2.com/index.html" target="_blank">魔王『この我のものとなれ、勇者よ』勇者『断る!』</a>(橙乃ままれ)<br />
<br />
一体全体この「まおゆう」というSSをどう言葉で書き表せばいいものか。<br />
<br />
夢中になって、ひたすらに繰り返し読み込んで、気がつけばこの「まおゆう」世界に魅了されて。勇者と魔王という古き良き題材への物懐かしさ、経済や近代化をテーマにした目新しさ、そしてSS全体から感じる「あの丘の向こうには何があるんだろう」という胸の高鳴りをひっさげ、いざこのSSの感想を口にしようとして。<br />
<br />
――はて、自分は何を言おうとしていたのだろうか、と固まってしまう。<br />
<br />
溢れ出る言葉の堰がまったく切れないんですよ。SSに対する感情が喉元まで出てきているのに、それを言葉という形に落とし込めることがいっこうにできない。これは困った。しかし、それでいてさらに困ったことには、言葉にできなくていい、と納得している自分がいるということ。たぶん言葉にできない、ということこそがこのSSに対して自分が抱いている感情のすべてなんだと思います。<br />
<br />
まいったなぁ。いや、本当まいった。<br />
魔王と勇者の二者関係を改めて見つめなおし、平和な世界への道(作中では丘の向こうと表現。超重要)を模索するというのがこのSSの大筋の流れなわけですが、これがすごいのなんの。これまでの勧善懲悪に疑問を呈する作品やファンタジー世界への考察作品とは違い、信念や思想などではなくあくまで経済という「理論」をもとに世界へ挑戦していく魔王と勇者の姿は、泥臭く地道ながらもそのひたむきさに焦がれるものがあります。紆余曲折、それこそ経済や人権、近代化といった話を経て、最後に超王道的な展開で風呂敷をたたんでくるストーリーなんて、もはや感動すら通り越して畏怖すら覚えるほどまさしく圧巻の一言。こんなのわくわくせずにはいられないじゃないですか。<br />
<br />
魔王と勇者を取り巻く人達も実に魅力的で、一人一人がちゃんとこの世界の中で生きているんです。懸命に生き抜いているんです。このSS内で登場する人全員が、名前こそないけれども確かに世界に一人しか存在しない主役なんですよ。だから人が死ぬときはこんなにも悲しいし、その仇をうとうとする姿はこんなにも切ないし、こんなにも敵が憎く、それを受け入れる姿に心が打たれるわけです。もちろんいろいろ考えさせられる場面はたくさんあります。人によっては受け入れられない展開もあるでしょうし、近代化に対する批判や「丘の向こう」というテーマに対してちゃんとした答えを出していないシナリオに激情を覚える人もいるでしょう。目を皿にして親の敵を探すように物語の粗を探せばいくらでも見つかるかもしれません。<br />
<br />
でもだからといってこのSSの面白さがそれで損なわれることなんてなく、むしろこうやっていろいろ考えさせられたり意見を抱いたりすることこそに、このSSの魅力ってものが詰まっているのだと思います。「まおゆう 考察」などでググればわかると思いますが、近年でこれほど多くの人に考察・絶賛・批判されているSSはまず他にないと思います。つまりそれだけこのSSはいろんな人に読まれ、考えることを促し、その上でアニメ化するまでに人を巻き込んでいるんです。単純なSSとしての魅力もさることながら、考えることの面白さを提供しているという意味で、SSとしてまさしく理想的で完璧な作りをしているのではないでしょうか。もしこの作品を読んで何かしら思うところがあれば、きっとそれは作者の思う壺にハマっています(笑)<br />
<br />
いつかの日か、自分がこのSSの感想をはっきりと言葉で表せた時。<br />
その時初めて自分はこのSSの魂胆に気づくのかもしれません。もしかしたら魂胆なんてものないのかもしれませんが、きっとその時はその時で魂胆なんてない、ということに気づくでしょう。その段階こそが、きっと今の自分にとっての「丘の向こう側」なんでしょうね。ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-31913663518105291112013-01-09T17:00:00.000+09:002013-01-20T03:14:32.318+09:00SSメモ:魔王はハンバーガーがお好き<a href="http://ncode.syosetu.com/n7736s/" target="_blank">魔王はハンバーガーがお好き</a>(28号)<br />
<div>
<br /></div>
<div>
気づいたら書籍化してたSS。<br />
あまりの衝撃に思わずSSメモに殴り書いてしまうという。<br />
<br />
いや、うん。意外というかなんというか。<br />
何度か読み直しているので「おー……」という納得が半分、「おー……?」という疑問が半分という気持ちです。もちろんそれは決してこのSSが面白くないとかそういうのではなくて、このさっぱりしたSSを気に入っている人が意外にいるもんなんだと戸惑っているというか。作品の悪口ではなくて、単純に近年のSSの人気傾向からして、あんまりこうもあっさりとした文体が受けるとは思ってなかったわけです。それがこうして書籍化までしているのを見ると、戸惑いの一つや二つ生まれるものですよ。<br />
<br />
話の内容としては異世界で勇者に敗れた魔王が現代のアメリカの片田舎でラブコメするだけなんですよね。おそらくこんな辺境にあるブログに来るような人なら一度くらいは似たような設定を目にしたことがあるのではないでしょうか。しかも連載時はちょうど橙乃ままれ氏の「<a href="http://sstsume.blogspot.jp/2013/01/ss_16.html" target="_blank">まおゆう</a>」によって魔王と勇者モノのブームが巻き起こっていた真っ最中で、似たような作品が至る所にごろごろと蔓延していたという凄まじい状況。(しかもネットに限らずライトノベルでも。電撃文庫さんの「はたらく魔王さま!」とか)<br />
<br />
つまるところ、とりわけ珍しい作品でもないんですよね、これが。<br />
<br />
にも関わらず私が繰り返しこのSSを読んだのは、ひとえにそのあっさり風味の文章と、時々現れる濃厚なシーンに魅了されたからです。なんとなく想像される楽しい日常のセンテンスをふんだんに用いる一方で、その他の部分はそぎ落としているような文章なので、一話一話が軽く読めるんですよ。かといってそれぞれの話が独立しているわけではないので、前の話でまいた伏線を回収したり、徐々にヒロインが主人公の魔王に惹かれていく様子がゆっくり丁寧に描かれています。お題にそって書かれているので、敢えてこういう形でSSを書いていこうと意識したわけではないというはわかっているのですが、それにしたってこんなにも綺麗に話ができるのは作者の力量によるものが大きいんじゃないでしょうか。<br />
<br />
現実的な非日常を描くのが非常にうまいんですね、このSS。<br />
ありきたりな空気感を見事にコントロールしている筆力は本当魅せられましたね。ただこれが一般受けするかと言われるとちょっと悩みどころ。個人的にはこのSSって少女漫画のタッチそのままなんですよね。ふわふわしてて、理想的で、でも現実にはないってわかってる儚さが詰まってて、だからこそいろいろな思いを喚起させる作りになっている感じ? ありもしない田舎の河で遊んだ経験を思い出す感覚? いや、この表現じゃわからないですよねー(笑) まぁ、ようするに文章が軽くて味気なく感じる人もいるんじゃないかということです。いや、むしろそっちの方が多数派な気がするんですが、気のせいなんですかね……。<br />
<br />
ともあれ、さっぱりしたSSが読みたい時はこういうお話とかみるとすごく幸せな気持ちになれます。小さなお店を経営するお話では、一番こういう空気感が好きですね。古き良きイベントとリアルではなかなか味わえない空気が交わって、物語が少しずつ少しずつ紡がれていくこのネット小説の醍醐味。書籍版でこれをどう再現しているのかぜひ読んでみたいですね。<br />
<br /></div>
ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-13370028590184172302013-01-08T06:00:00.000+09:002013-03-09T01:52:36.628+09:00SSメモ:真・恋姫無双【凡将伝】<a href="http://www49.atwiki.jp/bonshoden/pages/1.html" target="_blank">真・恋姫無双【凡将伝】</a>(一ノ瀬)<br />
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おいおいおい、なんだこの斬新な試みは!<br />
……というのが当初この恋姫SSを読んだ時の感想でした。その試みの正体とは読者のコメントによって主人公のステータスや物語の展開が変わるという一風変わったもの。実際の所、連載もののSSで読者の感想が物語を左右することってほとんどないと思うんですよね。それはプロット云々以前にSSとは作者が書きたいものを書いているからであり、読者は「作る」人ではなくあくまでも「読む」人だからなのです。ゆえに、読者の反応を気にして作者は読者の欲求をみたすようなSSを書くことはあっても、読者がSSに干渉できるわけがないのです。<br />
<br />
そう、そのはずなのに。<br />
読者のコメント数でオリ主の能力値が変化して、鬱ルートな小説プロットの展開から抜け出すとかどういうことだ(笑)<br />
<br />
作中で説明されているので、敢えてここで具体的な内容を伝えることはしませんが、簡単にいえば「リア充爆発」という言葉を読者から100以上もらうことで、SSがよりリア充的な展開になるという仕組みです。初めてこの仕組みが明かされた時は本当なんぞこれ、と唖然ですよ。同時にすごくわくわくしましたね。なんて意欲的なSSなんだと、そしてある意味でこれこそがweb2.0時代の双方向性あるネット小説としての完成形なんじゃないかと、ひどく感動した覚えがあります。<br />
<br />
敢えて恋姫という作品でこの形をとったというところにも注目したい所。外史の観測者に関する考察に始まり、この物語の仕組みへ絡めて、だから主人公へ影響を与えることができるんだという話しの筋は、非常に説得力のあるものとして受け入れることができましたね。これもひとえに作者の一ノ瀬氏の筆力でしょう。物語の内容としても出来が素晴らしく、袁家陣営のよさが本当によく描かれています。特に麗羽様の王っぷりなどは半端無く魅力的に描写されており、ある意味ではこんなの麗羽様ではない!と否定されても仕方ないながらも、個人的には全然ありなキャラクター改変だと思います。ただでさえ面白い物語に、さらに読者のコメントやアンケートなどがあるのだから、これはもう手放しで賞賛する他ありませんよ。<br />
<br />
それと忘れてはいけないのがこのSSに登場する魅力的なオリキャラたち。恋姫†無双で出ていない武将はまだまだたくさんいるので、武将の名前を借りたオリキャラを作るのは意外と簡単なわけですが、いかんせん本編のキャラに比べて影の薄いことが多いのがほとんどの恋姫SSの現状だと思います。しかしこのSSではこのオリキャラたちがまた濃いの何の……。っていうかAAで自己紹介するのやめれ、笑い殺す気か(笑) もちろん本編キャラも黙ってはいません。袁家の二枚看板なんてこれほど活躍したSSがあるのかと思うくらい、きちんと武将として描かれていますし、なにより客観的な視点における一刀君のリアルチート状態の忌々しさをこれ以上ないくらい見物できますw 何がすごいって、ここの一刀君は何も原作から外れたことはしていないのに、嫌われっぷりがひどいということ。いや、そりゃまぁ、これまで触れ合ってきたキャラクターが一刀君と触れ合うだけで落ちていく様子を見せられると、なんだかなぁという気にもなりますよ。でもこれが原作であり、オリ主の居るほうが異質なんだよなぁ。そのことをオリ主自身が自覚していますし。アンチやヘイト以外のSSでこれほど一刀君が嫌われているのも珍しい。<br />
<br />
物語は現在反董卓連合の佳境。今後どう物語が転がっていくか。読者一人一人の意思表示で、未来はどんどん変わっていきます。ぜひいろんな人に、この感覚を楽しんでほしいですね。<br />
これほどのSSを書いてくださっている一ノ瀬氏に感謝を。<br />
<br />
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<br />ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-52162678438824007862012-12-15T18:48:00.000+09:002013-05-13T23:18:39.119+09:00SSメモ:涼宮ハルヒの微笑<a href="http://www.geocities.jp/hibikigaiden/haruhi0.html" target="_blank">涼宮ハルヒの微笑</a><br />
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古くから二次創作SSを読んでいる人はなんとなく感じていると思うんですが、原作の穴や矛盾をついたSSって数多く存在するんですよね。もっと具体的に、原作キャラクターの行動信念や発言などでストーリーや現実と矛盾している箇所に対し、独自の見解を加えるSS、と言ったほうがいいかもしれません。FateとかヱヴァなんかのSSってこういうの多いですし。近年になってからは原作のこうした点に対して、いわゆるSEKKYOやアンチ・ヘイトというスタイルで指摘をするジャンルが増えていますが、これって「この物語を作者はこう解釈した!」っていうだけであって、別に新しくも何ともないわけです。作者や読者がどう思っているのかは知りませんが(安易にアンチ・ヘイトは嫌だ! というのは作品ジャンルに対する侮辱でもあります。安易にアンチ・ヘイトを描くのも原作に対する侮辱ですが)。<br />
<br />
でもこういう解釈系(SEKKYO含む)の作品ってほとんどが、本当のところ原作に踊らされているのだと思うんですよ。敢えて物語に穴を用意して解釈の余地を残しておいたり、反発する意見がでるようなことをキャラクターに言わせたりしている原作って多いと思うんですよね。いや、正確にいえば原作者の頭の中にある物語が作品として描写される過程において、取りこぼされてしまった箇所が穴になった結果として解釈の余地を残したり、キャラクターを印象づけるために極端に思想を偏らせた結果、他の多様な思考を想起させるようになったりしている、とした方がいいかもしれませんね。意図的かそうでないかはともかく。<br />
<br />
で、結局のところこうして作られた原作の穴にのっかって、二次SS作者は自分の考えた合理的な解釈をSSにしているわけです。なので大抵の作品は原作に躍らされることを強いられている(いや、別にこれが言いたかったわけではありませんよ? 本当デスヨ?)わけです。ところが一部のSSはそうやって踊らされずに、なぜこの物語の穴や矛盾が発生したのかを考えているわけで。もちろん答えなんてないわけですが、なぜを追求した結果出た結論に整合性があればあるほど、SSの説得力がまして物語の深みがでるわけです。つまるところ用意された舞台で踊るのではなく、舞台の生い立ちを考えることがいいSSにつながる秘訣だと思うんですよね。(当然例外もあるので個人的な体感でこういうSSは面白いことが多いというだけです)<br />
<br />
さて、なぜこんなことを初っ端から長々つらつら書いているのかというと、この「涼宮ハルヒの微笑」という作品はまさしく原作の穴に真っ向から挑戦しているSSだからです。キョンの一人称一人語り視点を再現しているのはもちろん、原作の矛盾や謎だった組織のことなどを鮮やかに合理的に「なぜ原作でこうなっていたのか」を突き詰めて解釈していく様は、まさしく解釈系SSの鏡ともいえるでしょう。もちろんストーリー進行のほうも実に構成がしっかりしており、泥臭い行動や伏線回収の手法、セリフに対する感情の込め方など、もはや芸術の域といってもいいくらい。特に物語終盤の長門とキョンのやりとりなんかは鳥肌が立つほど素晴らしいと感じましたね。何度も何度も原作を読み返し、明らかにされていない箇所には独自の切り口から分析を加え、どのようにすれば原作に支障を来さずSSを作れるかを黙々と考える作者の姿が目に浮かぶようです。これには本当まいった。原作以上に原作らしいという二次創作SSにとって最上級の褒め言葉すら霞んでしまうほどの出来です。<br />
<br />
このSSの恐ろしいところは原作が未完であり、かつSFの舞台装置をラノベにもってきたとも言われる涼宮ハルヒの憂鬱という作品に対して、独自の解釈をしていったことでしょう。なにせ矛盾しかないジャンルNo.1といっても過言でもないSFというジャンルに対して、ラノベ風にテイストされているとはいうものの合理的に解釈しようというなんて正気を疑います。というか普通は途中で破綻してしまうものだと思うんですが、よりによってそれをこのレベルの作品に仕上げるのは常識はずれもいいところ。作者不詳がもったいないほどです。このSSを書いた人にはもっといろんな場所で活躍してほしいですね。<br />
<br />
追記(2013年4月20日)<br />
<br />
作者様が判明しました。名乗り出ていただいて、ありがとうございます。<br />
……うん。私の調べが至らなかったというだけで、普通に作者は判明していたというね!<br />
というわけで反省も込めて記事本文の内容はそのままにしておきます。。。<br />
<br />
さらに追記(2013年5月8日)<br />
<br />
誰が作者か論争が起こっているそうなので、ひとまず作者の名前を消しておきます。正直議論が水掛け論になっていて、いきなり「どうも作者です」と言われてもそれこそ単なる荒らしにしか見えないので、あまりこういう措置は採りたくなかったのですが、ちょっとコメント欄が炎上気味だったので仕方なしにこの形になりました。ご了承下さい。ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-58506401705408102852012-11-28T06:10:00.000+09:002012-11-28T06:10:40.739+09:00SSメモ:ログ・ホライズン<a href="http://ncode.syosetu.com/n8725k/" target="_blank">ログ・ホライズン</a>(橙乃ままれ)<br />
<br />
もしもゲームの世界に入り込んだら。<br />
<br />
わりかしこのSSはネトゲものというかVR(正確には違うけど)とかで紹介されることが多いんですが、個人的には本質は上にある通りゲーム世界に迷い込んだら、だと思うんですよね。<br />
というのも、ネトゲものにしては正直いろいろ腑に落ちないところが多いからです。定番のデス・ゲームものでもなく、リアルとの駆け引きがあるわけでもない。ネトゲという異世界に突入したにしてはあまりに現実を引っ張っており、かといって転移にしてはあまりにゲームじみている。いまいちどのジャンルもしっくりこなくて、なんなんだろうなーとぼんやり考えた所、最終的に行き着いたのがゲーム世界に突入というジャンルでした。<br />
<br />
正直なところあれですよ。思い至ったときは、そういえばそんなジャンルもあったなと思うくらい、昔のジャンル過ぎて望郷の念が立ち込めたくらいです(笑) いやしかし、もはや二次創作系列の作品以外では絶滅したと思われるこのジャンルを、よくも敢えてやろうと思えたものです。商業作品だと編集さんにプロット提出した段階で「VRだと差別化が難しいので他のにしましょう」とか「独自のゲームだと世界観の説明がしつこくなる」とか言われてまず間違いなく企画倒れでしょうね。読んでみないとこの面白さは中々伝わらないものですよ。<br />
<br />
さてさて作品のジャンルはいいとして肝心の中身についてなんですが、これまたなんというかお手本のようなキャラクターの作りと話の展開です。ちょっといじわるな言い方をすれば歯車のようなキャラと機械仕掛けの物語、とでもいいましょうか。とにかく主人公の腹ぐろ眼鏡ことシロエを初め、多くのキャラクターが本当に見事なまでに記号化された特徴をもっており、それらが活かされた話しの進め方がされるため、いい意味でこのキャラは現実にはいないし、この話はフィクションだという実感が沸くんですよ。フィクションだとわかっているからある程度の棘が立つキャラの言動も目くじらを立てずに済むし、ご都合主義的な展開にもカタルシスを感じることができます。すばらしいポジショニングですね。<br />
<br />
お話としてはネットゲームの世界で主人公たちが活躍するという形なんですが、レベルの暴力やらレベルを上げて物理で殴るやらがないため大変すばらしい出来です。ゲームならではの面白さに加え、ゲーム固有の概念を用いた問題解決法の提示、そしてそこにさらりと稼ぎ方やネゴシエーションの秘訣を入れてくるあたり、さすがの橙乃ままれ氏であると言わざるを得ません。話の後半になってくると今度は格差・自治・経済といったキーワードを入れてくるという贅沢さ。話しのスケールも大きくなってくるし、世界の謎にも迫ってくるし、恋の行方も波瀾な予感だし、いろいろと目が離せない状況です。<br />
<br />
それにしてもこの橙乃ままれ氏である。<br />
代表作の「まおゆう」からわかっていたことではありますが、一筋縄ではいかない物語の展開は舌を巻く勢いで毎度驚かされます。前半はそうでもないんですが後半からの群像劇っぷりに磨きがかかると、拍車をかけるように物語が面白くなるのはいったいどういうトリックなんだろうか。王道に一風変わった独自解釈を付け加え、世界観を広めた上で改めて王道に戻るという一連の流れに関しては、もはや崇拝するレベル。このSSの今後の展開が非常に気になります。ただいかんせん橙乃ままれ氏本人の忙しさが尋常じゃなさそうなところが難点。首を長くして更新を待ち続けたい一作。<br />
<br />
あ、ちなみに文庫版も出てるのでネットがダメな人はぜひ。あと<a href="http://mamare.net/" target="_blank">公式ホームページ</a>でコミカライズ情報だったり外伝(元は小説家になろうで掲載していた)だったりが出ているので、ファンの人は要チェックかも。ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-85322803762780113562012-11-02T23:54:00.004+09:002012-11-02T23:54:54.749+09:00SSメモ:幼女戦記Tuez-les tous, Dieu reconnaitra les siens<a href="http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=tiraura&all=24734&n=0#kiji" target="_blank">幼女戦記Tuez-les tous, Dieu reconnaitra les siens</a>(カルロ・ゼン)<br />
<br />
うわっ、うっわー……なんだこれは……。<br />
<br />
もう感嘆の息しか出ませんよ、これ。よくもまぁ世界大戦を2つ混ぜてこねて、きちんと形として仕上げているものだ。コーラとペプシを混ぜたらよくわからないすごい炭酸飲料ができたよ! と無邪気に喜んでるみたいで、なんかもうこの時点ですごく狂気じみてる。いや、一度は妄想したことありますよ? 大戦2つ混ぜればすごい戦争になるんじゃないかって。2度に渡る大戦において、それぞれ特筆して大きく技術が発展しており、苛烈極まる塹壕戦がいかに凄惨か、そしてそこでどんなドラマが生まれるだろうか、さらにそこに焦土作戦やら核やらが登場してくるとどうなるのか、戦記が好きな人なら多少なりともそこにロマンを感じるはず。<br />
<br />
しかし、しかしだ。<br />
そこには多大な困難が待ち受けていることは言うまでもない。<br />
そもそも一般的な人は戦争なぞ知らないし、海外でやってるどんぱちなんぞテレビで知る生ぬるく過激な現状をのほほんと眺めているし、地元のとち狂ったヤクザの総本山でもない限り、こんなにも戦争末期の雰囲気万歳!みたいな頭のネジが飛び散った感想などは抱かないものである。またかなり専門系の人、いわゆる軍オタ、ミリオタになってしまうと、これもやや個人の頭の中で全てが完結しやすく、そうした人間に限ってなかなか自分独自のものを生み出し難いものである。<br />
<br />
だがそれを容易くやってのけ、ドイツのルーデルを彷彿させるような主人公を投入し、戦時の英雄と讃えられるなど、まさしくフィクション戦記の王道であり、狂気じみた思想や特別なカリスマ性、歴史造形の詳しい解説は、この物語が提供する一つの完成されたテイストに違いない。そして何とも恐るべきことにこの物語には人を魅了してやまない<strike>幼女</strike>人の儚さを冷酷なまでに余すところ無く描いている。軍人のジレンマ、理論と現実、狂気と理性、宗教と道徳、それらの題材すらもミックスさせ、戦場における倫理の問題などを逃げることなく扱い、全てを大戦にぶちこんでいる。これを狂気の沙汰と呼ばずになんと言おう。<br />
<br />
読み進めている内に、体の内側から見えない何かに食い破られているというか、これまで知ってて、でも見向きもしなかったものに真正面から対峙してしまった時の戸惑いというか。サンデル教授の講義みたいに、いろいろ曖昧に濁して逃げていたものを改めて考えさせられるんですよ。それもこれも主人公の幼女が悪い!! つーかどういうことだよ、作者さん……。潤いで投入してるんだろ……戦時なんだろ……。普段気難しい軍人が魅せるちょっとした恥じらいとか、ぐへへな展開とかもちょっとくらい期待していいじゃないか……。(外道<br />
<br />
まぁそれはさておき。<br />
<br />
改めて戦時のどうしようもない空気というものを感じた気がします。<br />
どうにもこういう破滅的な話とかはやや苦手なところがあるんですが、ついつい見てしまうんですよね。戦記もので連戦連勝してるやつも好きと言えば好きなんですけど、このSSみたいな硝煙と血が入り混じったリアルな匂いのするやつも定期的に見たくなるときがあるんです。別に破滅願望とかないはずなんですけどねぇ。なんかあれだ、恋すらしていないのに失恋の歌を聞いて心が苦しくなるようなあんな感覚ですよ。うん、ほぼそんな経験ないけどね(ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-86451569643535851782012-11-01T23:53:00.003+09:002012-11-01T23:53:25.168+09:00SSメモ:死神を食べた少女<a href="http://ncode.syosetu.com/n5240bc/" target="_blank">死神を食べた少女</a>(七沢またり)<br />
<br />
なんというか、本当に見当違いな感想なのは承知しているんですが、どうにもこの物語は童話みたいな印象を受けてしまう。物語を通して何かを語りかけられているような、一見単純な話の裏で、何かとても大切なものを教えられているような、そんな感覚です。ちょっと待てよ、こんな狂気じみた主人公が、さらに狂気じみた部下を引き連れて戦争するこの物語のどこが童話なんだ、と多方面の方からつっこみを受けてしまうかもしれませんが(笑)<br />
<br />
さてさて、間違ってもこのお話は心温まるお話でも、ましてや何か教訓じみたものを語っている作品ではありません。むしろ平気で人が死に、洗脳じみた思想を淡々と描写しているという、ダークファンタジー真っ青な作品です。大好きですよ、こういう化けの皮をかぶったような作品(<br />
<br />
少女シェラは空腹から死神を食べて、非常識な力を手に入れています。結果的にはこの力によって立身出世していったので、ちょっと形を変えたチートものと読めなくもない。転生トラックとかのパターンからはみ出したチートモノというか。あれですね、むしろ「ある日突然力に目覚めた俺は……」って導入の方が近いかもしれません。近年でこういう書き出しにチャレンジできるってとても大切な心意気だと思うんですよね。やれ魔法の設定がどうのこうの、主人公の過去はどうのこうのって考えるのもいいんですが、王道そのままで内容を面白くすればだいたい物語は面白くなるよって示してる作品な気もします。といっても、読んでる最中はまったくそんなことを意識しませんけどね。何度か読み直している内に、そういえばこれって敢えてジャンル分けとかしたらこれになるよね、と気づいただけです。<br />
<br />
いやでもこれを主人公最強モノってジャンルで区切ると詐欺になる気しかしない。だからといって死神モノと言われるとまったくそうじゃないし、戦記というにしては、いまいち全体の動きが足りない。恋愛要素とか海に投げ捨ててるし、涙誘う展開とかカタルシスがマッハみたいでもない。なので結論としてはザ汎用性キング「ファンタジーモノ」となるわけですが、これのどこがファンタジーなのかイマイチこの表現も厳しい。というわけで結論として「ファンタジーな戦記っぽい死神モノの皮をかぶった何か」というのが正しいですね。うん、なんのこっちゃ(<br />
<br />
それにしても注目すべきは少女シェラもそうですけど、その部下たちですよね。<br />
よく小説や漫画にあるような死を恐れない人形兵士というのが描写されますが、まさしくそうした人物像にぴったり当てはまるんですよね、彼ら。といっても正直なところ、こうした人たちって取り立てて特殊な人たちってわけじゃないんですよ。60年前の日本だってこんな人達がたくさんいましたし、おそらく現代の人だって死を恐れないことはないにしても、誰かカリスマ性のある人を信奉してやまない人はたくさんいます。創業者万歳な企業の幹部とか、起業家に憧れる学生とか、もっと身近でいえば故マイケル・ジャクソン氏なんかたぶんファンに何かしてほしいといえば、かなりの確率でそれが実現したと思うんですよ。つまりはそういうことなんです。誰もがシェラの部下のように狂気に染まる可能性があるし、そこに特別な才能や努力って必要ないんです。このSS読んで自分はこうはならないと確信している人ほど、たぶんなる可能性高いですよ。だって何の根拠もない自分の感情で判断を確信できるわけなんですから。<br />
<br />
それにしてもなんでこの物語が童話だと感じたんだろうか。こうした部下たちの一件や王国とかの隆盛をきちんと描いているところに、何かひっかかっているのかも? いずれにせよ何度か読みなおしても面白さは褪せない点においては童話と似てます。書籍化するのもなっとく。むしろ今後はこういう童話も読んでみたいな。大人向けの童話というか。<br />
<br />
しかし一人の少女を通して描かれる世界が、こんなにも小さく、けれどとてつもなく思想にあふれているのを見ると、リアルな世界もいろいろ考えることに飽きない世界ですよね。<br />
<br />ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-77849176845412085452012-09-27T02:22:00.000+09:002012-09-27T02:22:04.940+09:00報告と募集<div>
時は無情なり。</div>
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どうも、管理人のClownCatです。</div>
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いつもブログを見ていただき、大変ありがとうございます。おかげさまで、つい先日ブログの掲載SS件数が30件に達しました。最初は「ブログ、三日坊主にならないかなぁ。むしろ一日坊主にならないかなぁ……」と心配していましたが、思いの外多くの読者さまに恵まれ非常にいい刺激になりました。ここまでSSメモを追加していけたのも、訪問してくださっている皆様のおかげです。この場を持って感謝の意を示したいと思います。</div>
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さて、前書きはこの程度にとどめて本題なのですが。</div>
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ここ数日、ブログの更新が安定せず申し訳ありません。</div>
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実はこの時期になぜか新生活(?)が始まり、帰宅の時間が遅くなってしまいました。帰ってきてからもやらなければならない作業があり、しかもその締め切りが今月末という新生活早々にして慌ただしい日々を送っています。</div>
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twitterをご覧の皆さんはご存知かもしれませんが、SSメモを一つ書くのに今のところおおよそ2時間程度かかり、現在のライフスタイルではちょっと更新が難しくなっています。もっとSSメモを書く時間を短縮できるといいんですが、これがなかなか……。現状ですら頭の奥から語彙を毟りとって、おらおらといじめ抜いた末に、なんとか及第点くらいは出せるかな? といった感じでして、とてもこれ以上は「む、娘だけはっ!!」と悪代官に懇願する平民状態です。文章のクオリティを下げれば更新できなくもないですが、今以上にクオリティ下げるとまともに読めない文章になりますし、そんなことしても読者も自分も幸せになれないし、そして何より真剣にSSを生み出した作者様に失礼なので、そういうことは誓ってしません。したくもありません。</div>
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そんなわけで当分の間、以前のように毎日更新ということはできません。おそらく数日おきに現実逃避がてらSSメモが追加されていくと思います。まぁ、そもそもを言えば、おそらく作品数が50を超えたあたりで、現在読み返している作品のストックも切れてしまうわけで、いずれはこういう日が来ると思っていましたが。見通しの甘さが如実に現れていますよねー(</div>
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毎日多くの人に訪れていただいたにも関わらず、こうした報告も遅れてしまい本当すいません。できるだけ早く今の生活を安定させて、ブログの安定更新を心がけたいと思います。えぇ、大丈夫です。私に任せてください。私を信じてもらえれば、今なら5万円がたったの1ヶ月で100万円に(</div>
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さておき。</div>
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ちょっと上でも書きましたが、おそらく読み返したいSSが50を超えたあたりでなくなってしまうと予想されます。そこでブログ読者様から「読み返したいおすすめSS」を紹介していただきたいのですが、いかがでしょう。紹介されたものを読んですぐに掲載! とかはブログの性質上難しいですが(読み返したいと思えるSSを紹介するので、実際に読み返したことのないSSは載せません)、読み返すほど夢中になったSSに関しては、できる限りSSメモとして記事にしたいと思います。</div>
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twitterやメールフォームはもちろん、どの記事でも構わないのでコメント欄におすすめのSSをコメントしていただければ目を通したいと思います。SS紹介ブログのくせに逆にSS紹介してくださいという何とも突っ込みどころ満載な提案ですがよろしくお願いします。でも他人が読み返したいと思うSSってどんなものか気になりません? もしそこで趣味が合えば素敵な話ですよね。この小さなブログコミュニティで、同じ趣味の人に出会えるんですから。</div>
ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com8tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-90697635743243546712012-09-24T23:39:00.004+09:002012-09-24T23:39:30.543+09:00SSメモ:武器屋リードの営業日誌<a href="http://gogatu.onmitsu.jp/nindex2.html" target="_blank">武器屋リードの営業日誌</a>(五月八日)<br />
<br />
なんというか、武器屋ってこれくらいがちょうどいいですよね。<br />
変に強くなくて、変にキャラ作ってなくて、変にこだわりがなくて。頑固一徹! って感じの武器屋も好きなわけですが、現実あんな職人気質な人がごろごろしていたら立ち回らないわけで、本当これぐらいアバウトなくらいがちょうどいいと思うんです。<br />
<br />
というわけで何のことやら普通の武器屋の店主が平凡ではない物語に巻き込まれるお話。これなんというか舞台仕掛けがうまいんですよね。武器屋、という特性を活かした物語の作り方は絶賛モノ。理想的な起承転結、そしてオチの付け方をしているので、いろいろ物書きにとっては参考になることが多いです。しかも章が進むに連れて、微妙に話の組み立て方を変えてくるし。ここでこう来る! と思ったら実は来ず、なにもないだろうと思っていたら残念事件でしたー、と飛び出す始末。しかもオチを毎回笑いやら泣きやらバリエーションを付けてくるので、読後感が非常にいい。一つの作品が連載しているにも関わらず、いろんな短編を一気に読んでいる感覚があります。<br />
<br />
ぱっとこうした一般的な武器屋が活躍するSSって思いつかないんですよね。ライトノベルだと「七人の武器屋」とか、一応武器屋ものなのかな。あれはあれでいい作品でしたけど、この作品はより1人の武器屋に焦点をあてて、その人が巻き込まれる様子を手にとって楽しめます。こういってはあれですが、奇をてらわないで専門職を活かした作品って商業、ネット小説に関わらず、珍しいものです。あ、でも一般小説の方ではそうでもないか。経済小説とかもあるし。といっても、あれはあれでちょっと指向性が違いますが。<br />
<br />
主人公のリードがこれまた不幸なのか幸運なのかよくわからない境遇で、しかしそれでも前向きに頑張っているあたり、なかなかいい主人公面してます。2章あたりから人物像もはっきりしてきて、あぁこいつは苦労人だなぁって思えるようになりました。始めはややきざったいというか、お人好しのお兄さんみたいな感じだったのですが、なんともいろんな話を見ている内に以外に現実主義だとか、でも絞めるところは絞めて、きちんと人助けするところとか、うん、なんというか生の人間だよなぁ。信用裏切られたのを高い授業料と捉えることのできる人間って案外少ないもんですよ。<br />
<br />
しかし、なんとも表現しにくいこの文章から受ける印象。<br />
作者から、とびっきり前線にたって流行をつくる! みたいな突出した才能は感じられないんですけど、それでも安定して良作を提供してそこそこのファンがついて、業界全体の質を保つのに貢献しそうな感じ。縁の下の力持ち的な何か。素直に綴られた文字から誠実さを感じるんですよね。作中でほら吹いてても、あ、このお話はそういうお話なのかと信じそうになるくらい、なんというか文章から物語を信じさせる力が発信されているんですよね。おかげで最初は騙されました(笑)<br />
<br />
あと特筆すべきはキャラ立てです。<br />
短編なはずなんですが、なんともどのキャラもきちんと物語に存在しています。レギュラーメンバーのクレアはもちろん、1章にしか登場しないキャラや、2章の友人キャラも、決して突飛なキャラではないんですが、一度読んだらこいつらいたなぁって思います。読み返しても「そうそう、こいつあとでこうなるんだよなぁ」と、予想通りのランダム性みたいな気分で読めます。<br />
<br />
あんまりいいたくはないんですけど、正直言って、SSの質的にはちょうど全ネット小説の中間くらいに位置しているのかなーと思っています。テンプレコピー作品は除外するとして。特別優れているわけでもなく、かといって特別劣っているわけでもない。気軽に読める、安心して面白さがある、定番の品、みたいな。ポテトチップスで言えばうす塩。特別好きではないけど、安定しておいしいものがほしいならこれ、とか。だからこそ、万人におすすめできる読み返したいSSだと思います。ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-69151848315676898052012-09-22T17:45:00.003+09:002012-09-22T17:45:57.136+09:00SSメモ:魔法の世界の魔術し!<a href="http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=&all=32471" target="_blank">魔法の世界の魔術し!</a>(泣き虫カエル)<br />
<br />
<br />
泣きたくなるくらい平凡で丁寧で繊細で、まるで竪琴の音色を聞いているかのごとく心が静まるというか、間違いなく読んでて癒されます。Fateとネギま!のクロス作品は数あれど、自分にとってはこの作品が原点なので、いろいろともしかしたら過大評価しているかもしれませんが、それでもこんな優しい文体で物語が紡がれているのは他のクロスではなかなか見られない。<br />
<br />
衛宮士郎とエヴァンジェリン。<br />
かたや正義としてにっちからさっちまでえっちらおっちら戦場見たらどっこいしょとどこにでも現れる正義の味方で、かたや悪としてにっちからさっちまでえっちらおっちら戦場見たらそそくさと関わらない闇の福音。結局士郎は自分から関わり、エヴァは他人から関わられるので、力が必要になるのはどっちも同じなんですが、改めてこうも二人が揃って歩いているのを見ると、なんだか不思議な気分です。この二人の心情をとくと描写し、ゆっくりその日常を描いているところが、作者わかってる。<br />
<br />
設定としてはもはやテンプレートですね。士郎がどこかから麻帆良に転移するという、そしてエヴァと最初に鉢会うという、どこにでもありふれた展開。といっても、作品ができた当時はまだまだこの設定も現役で、むしろこの作品がテンプレート展開の一助となっているのではないでしょうか。そのあたりを事情を考えて序盤読むと、いろいろ感慨深い。あの作品はここからこういう風に派生したよなーとか、あの作品はそもそもこういう展開から避けたよなーとか、いろいろ読んできたSSを思い浮かべます。<br />
<br />
冒頭でも書いたんですけど、すごく展開が丁寧なんですよね。<br />
士郎が世界の違いに驚くのとか、もはや誰も書かないだろうなぁ。書くのを面倒くさがって、これはあれか平行世界というやつか、という一文で収まってしまう。そこでわざわざ考察するのもしない。士郎ってエミヤに近くなればなるほど思慮深くなるんだし、ある程度戦闘能力持ってるならそういうところちゃんと書いて欲しいなと思うわけで、このSSは見事にそこに応えてくれています。まぁ、士郎がちょっとすぐに慣れ親しみ過ぎというのが違和感あるところですが、なでぽほどじゃないのでそういう作品だと思ってスルー。刹那とまじめに戦闘しているところとか、それも実力のゴリ押しではなく非常に狡猾に勝っているところとか見ると、こいつ結構実力はエミヤに近いくせに士郎のままだよなぁ。<br />
<br />
あぁ、あれだ。<br />
なんというか文章から優しさとか繊細さとか感じられるけど、根本的にあるのは切なさだ。この士郎、正直言って世界に居るものの、常にどこか遠くを見ているんですよ。客観的というか。もちろん弓矢を投影してエヴァに当てて楽しむという、おいこらほのぼのしてるなぁ! と思う場面とかあるわけですが、どうにもいつか自分はこの世界からいなくなるという前提で動いているようにしか見えない。他人と深く関わることはなく、それはエヴァとの関わり方も同じで、刹那の師匠しているわりに事情に踏み込まず、結局流れるままに生きている。文体にもそれがところどころにじみ出ているんですよね。独白するところとかまさにそんな感じですし、まかり間違っても桜ルートのような士郎には見えません。<br />
<br />
投稿数少ないと思われますが、実は本当はもっともっとあって、具体的には超が出てくるあたりまで分量ありました。にじファン以前からずっとファンだったのですが、どうにも何度となく掲載場所が移転したのを受けて、さらに読者のよくわからない辛辣な感想で、現在はもうモチベーションが維持できず更新ストップしています。完結まで書いてあるというのにもったいないとおもいますが、それ以上に作者の方が大丈夫かどうか気になります。ちゃんと静養できていればいんですが。二度とこういう作家のモチベーションを奪わないよう、読者の方には気をつけてもらいたいんですけどねえ。ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-35443954275624262162012-09-21T23:22:00.001+09:002012-09-21T23:22:26.013+09:00SSメモ:Eternal Snow<a href="http://closedvillage.web.fc2.com/es_top.htm" target="_blank">Eternal Snow</a><span id="goog_1543884379"></span><span id="goog_1543884380"></span><a href="http://www.blogger.com/"></a>(神室儀)<br />
<br />
俺が、俺達が、U-1だ!!<br />
<br />
いや、いきなりこいつ大丈夫か?みたいに思わないで下さいね。なんというか改めてこのSSを見なおして最初に出てきた感想があまりにもこの言葉通りだったので、ちょっと衝動的に書いてしまいました。本来ならもっと熟考して推敲してその上でSSメモを載せているのですが、どうにもこの言葉だけは消せませんでした。それくらい我ながら的確な感想だったわけです。<br />
<br />
さて、前置きからもわかるように、このSSはいわゆるU-1系の鍵作品です。それも鍵以外のブランドも含めて5作品くらいクロスオーバーさせた、ようするにごった煮ファンタジーSSです。クロスオーバーというだけで忌避する人がいるかもしれませんが、大丈夫です。<br />
<br />
このSSはU-1ものです。<br />
ようするに、原作なぞ知らなくても読めます(<br />
<br />
というかU-1ものになると、原作に沿った展開している方が面白くなくなります。キャラだけを借りたほぼオリジナルSSと見ていれば、普通に楽しめます。もちろん原作知っているとより具体的にイメージできるので楽しめるかもしれませんが。鍵作品で繰り返し読みたいSSって大抵が巷でU-1と言われる作品になってしまうんですよね。母数的にもおそらく多い方のジャンルでしょうし。でも特別そういった要素が好きな訳ではなくて、どちらかといえばそういったテンプレは遠慮したい側です。流行の転生トラックとか神様転生とか、正直なところその要素いらないんじゃないかと常々思っていますし。<br />
ただ、そうしたSSの中でもまた改めて読み直したいと思えるSSがあるのは、純粋にそのSSがファンタジー(あるいはSF、あるいは普通の現代作品)として魅力的な世界観を作っているからなんですよね。結局のところ、どんなにテンプレートで陳腐な展開をしていようが、面白いSSであれば問題ないわけですよ。それこそ二次創作なんて始まり方がたいてい同じなわけですし。で、かなり遠回りになってしまいましたが冒頭の感想はどういう意味かというと、<br />
<br />
このSS、主人公的な存在が5人いて、皆がU-1っぽく魔改造受けてます(笑)<br />
<br />
いや、意味がわからないかもしれませんが、実際そうなんです。KanonからU-1こと祐一くんと一弥くん、ONEから折原くん、ダ・カーポから純一くん、それ散るから舞人くんが出演しているという、時代を物語っているようなこのメンツ。こいつらがそれぞれ違う地域を舞台に、活躍していくわけですが、これが面白いの何の。っていうか祐一以外馬鹿しかいないせいで、こいつ1人万年苦労人になってるんだけどw ブラコンにシスコンに唯我独尊が二人。哀れ、祐一。姿隠して戦ってるくせに、苦労人じみたところがにじみ出てるよ、あんた……。<br />
<br />
学園もので、強さにランクがあって、世界に人類の敵が存在し、主人公達かなり力があるけど学園では隠してて弱者に見られてるという、これでもかと厨二要素を詰め込んでいます。しかも復讐のために力をつけているという設定なので、サスケェも顔負けです。もっともだからといって作品の空気が暗いかと言われるとそうでもなく、どの主人公もさすがの主人公であると思わせるほど、いろんな意味で明るいんですよね。<br />
<br />
物語は第一部終了といったところ。この展開がまた憎らしい。というかこの展開がなければ、繰り返し読みたいとは思いませんでした。第2部は主人公たちがこれほどまでに明るくなれるきっかけを与えた2人の先輩たちが紡ぐお話です。クロスオーバー作品がこれでまた一つプラスされるわけですが、これくらい開き直って独自に展開してくれるのならこれはこれでありだと思います。連載さえ止まっていなければなっ!!!ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-81800465749667032012012-09-20T23:15:00.000+09:002013-03-11T00:24:04.526+09:00SSメモ: UBW~倫敦魔術綺譚<a href="http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=all&all=34138&n=3#kiji" target="_blank">UBW~倫敦魔術綺譚</a>(冬霞 / 夏色)<br />
<br />
あぁ、この表面上はほのぼのとしていて、けれど裏で薄氷上に立っているような緊張感の混じったなんとも言えない空気感。まさしく原作Fateの日常パートを読んでいる時に感じた安心さと不安さであり、だからこそ否応なしにも話の先にパンドラの匣があることを予感させます。たとえ原作後のストーリーといえど、やはりFateSSの空気はこういうのでなければ。<br />
<br />
UBWアフターを描くというのは、そもそもFateSSにおいてNGな行為として捉えられることが多いんですよね。というのもFateSS全盛期において「<a href="http://sstsume.blogspot.jp/2012/09/ssfatein-britain.html" target="_blank">Fate/In Britain</a>」と「Brilliant Years(へみるworldというサイトで掲載していたが、現在は観閲不可)」というUBWアフターを描いた2つの超大作SSがあり、この2つが双璧を成して他のSSを寄せ付けないほど人気を博してしまったからなんです。そのせいか読者もUBWアフターSSに求めるハードルがぐーんと上がり、生半可なSSを読んでも面白いと感じないどころか、見向きすらしないという状態になっているわけです。作者も作者で上記二作品を見ることなくUBWアフターを書く人はほとんどおらず、そして見たら見たでレベルの高さを目の当たりにして自然と書くのを自重してしまうという。<br />
<br />
そういう状況だからこそ、もうこの手のSSは二度と見れないかなーと内心とても残念に思っていたんですが、そんな時にこのSSの登場ですよ。UBWアフター作品と銘打ってるわけですから、そりゃもう目が惹かれます。惹かれないわけがありません。どれどれちょいと顔を拝ませてもらおうかと自信たっぷりにスコップ携えて寄ってみれば、敷地を跨いで地面を踏んだ途端にずぶずぶと足が面白さという地面の穴に嵌り込み、スコップなぞもってんじゃねぇ!(若本ボイス)とこちらを飲み込んでくるではありませんか。これはもう見る他無い。というより抜け出せない。<br />
<br />
かぁーっ、もうなんというかオリ主紫遙くんの不幸っぷりがたまんない。士郎って基本的に不幸なことでも大抵前向きに捉えてそれって不幸なの?を地で言ってくるから時々ものすごくイラっとくるんですが、この紫遙くんはむしろ「いいよいいよ……どうせ不幸だよ……」と半ば諦めがついてるので凹む様子の楽しいこと。やるときゃやるのに、なぜこうにもヘタレなのか。まぁ、あの蒼崎姉妹の元でこき使われていれば誰だってこうなるか。<br />
凛もルヴィアも相変わらずで何より。この二人はどのSSでも本当混ぜるな危険状態ですよね。もっともこういう関係は羨ましい限りですが。ぶっちゃけ「似て非なる」からこそ「非なる」部分でわーわー物言いするんだけで、結局似てるところをお互い認めてるあたり似たもの同士って羨ましいなぁって思います。ある意味でエミヤと士郎もそんな関係だと思うんですよね。結局互いに嫌悪する理由がそこだったわけだし。もちろん片方が理想論で、片方が達観論なことは否定しませんが。でもその違いさえなければ、あの二人なにげに良いコンビだと思うわけですよ。誰かそんなSS書いてくれないかなー。二人がこたつで落ち着いて将来について話し合うSS。題名は流行りを取り入れて『士郎「おれ、正義の味方になる」エミヤ「たわけ」』で。<br />
<br />
しかしよく書いたよなぁ、これ。<br />
チャレンジ精神満載というか、真っ向からFateという作品を見つめなおしているというか。敢えてこの題材で書こうとするあたり、どこかに作者の伝えたい思いがあると思うんですけどねぇ。それは続きを読んでから、ということでしょうか。まるで昔ながらの家に現代の匠の技を取り入れるかのごとく、昔ながらのアフターと近年流行りのオリ主トリップを組み合わせた至高の一品SS。これぞまさに劇的ビューティフルビフォー&エクセレントアフター。もう古参FateSS読みとしては大歓喜ですよ。<br />
<br />
惜しむべきはにじファン閉鎖騒動に巻き込まれて、あれだけの長編を今はちょっとずつ改稿しながら理想郷に投稿しているというところ。ぐぬぬ、見直したいけど見直せないこのもどかしさと、ちょっとずつ作品が更新されていくこの期待でドキムネな感じ。作者の焦らしプレイスキルは非常に高いと見た。<br />
<br />
<br />
<b>追記(2013年3月11日)</b><br />
<br />
ハーメルンにて改定前の作品の投稿を確認。<br />
<a href="http://syosetu.org/Novel/5820/" target="_blank">UBW~倫敦魔術綺譚 (未改訂版) </a><br />
<br />ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-23729810916585303202012-09-19T22:10:00.000+09:002012-09-19T22:10:22.265+09:00SSメモ:真・恋姫†無双で部下をやってます<a href="http://ncode.syosetu.com/n1354p/" target="_blank">真・恋姫†無双で部下をやってます</a>(BBB)<br />
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駄目人間に仕える快感を教えてくれる恋姫SS。<br />
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……いや、冗談ですからね? そんな「何このマゾ、ひくわぁ……」って視線で見ないでくださいよ。ビクンビクン。<br />
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とまぁ、それはさておき。<br />
恋姫SSの中にはこのSSのようにたまーに袁紹とか袁術とかに仕えるSSがあるんですよねー。主人公が一刀くんかオリ主かで別れるかは別として。最初の頃はそうしたSSを敬遠していたんですが、このSSを読んで以来、すっかり駄目人間の素晴らしさに気が付きましたよ。オリ主モノなのにすっきり読めたのも大きいかもしれません。なんというか、ダメなのが逆にいいんですよねー。自分がしっかりしなきゃという意識と、どうにもならない現実の狭間で苦悩する姿に、共感を覚えるというか、人生そんなうまく進まないよねーという気持ちが湧いてくるというか。<br />
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主人公玄胞のほどよいチートさもこれまたいい具合に働いています。内政に干渉して成果はあがったものの、腐った役人をところかまわず放り出したせいで逆に自分が苦労することになってるあたり、なんか人間らしいお茶目さを感じる。人を見る目がいいという特徴はあるものの……はてさて、いろいろ伏線がはられていて、これは果たして人を見る目がいいのか……はたまた識っているのか……。ある意味でこの程度でぼかされると、非常に気になって続きが読みたくなるんですよね。明らかな伏線とわかりつつも、早くその伏線を回収してほしいと思うのなら、それは既に伏線の役割を果たしたと言ってもいいんじゃないでしょうか。<br />
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このSSのいいところは、ダメ下(ダメな人間の下の略)に仕える多くのSSが君主を諭して本来のキャラから外そうとすることが多いのに対し、きっちりそのあたりは線をひいてちゃんと原作の麗羽というキャラを崩さずに描いていることですね。いやぁ、まさしくこの作品の麗羽は麗羽だ。まごうことなき麗羽であり、玄胞が必死で交渉していることを努力の甲斐も虚しく0にしてしまうあたり、原作とほぼ変わりない馬鹿で自尊心溢れ、曹操を敵視している。麗羽の違和感が本当皆無なわけで、変な過去を捏造したり、よくわからない解釈をしたりしないところが、また評価を上げるポイント。麗羽はあの馬鹿っぽさがいいんですし、ダメ下に仕える系のSSなのに、駄目人間を更正させるのはよくないと思うんです、うん。<br />
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ストーリーの方は、今が完全に佳境。<br />
というか、正直話数的にここまで連載している割に、これほど展開の遅いSSも珍しいものです。以前紹介した「とんでも外史」なんかはそもそも黄巾の乱が集結してませんが、それと同じくらい遅いです。序盤がかなり丁寧で、この時点からいろんなキャラを動かしているのですからそうなるのも当然なんですが。<br />
しかし、ようやく反董卓連合に入り、ようやく玄胞の反撃が始まり、ようやく玄胞の招待がちらほら見えてくる、というところでにじファン閉鎖騒動に巻き込まれたので、うぉおおおおいってリアルで叫びますよ、そりゃ。<br />
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そろそろまた更新こないかなー、と待ってはいるんですが、このままエターナルなコースに突入しそうで怖い気持ちもあります。長期停滞の後の1話更新は本当こわい。BBBさん、頑張ってほしいな。せめて反董卓連合編だけでも終わらせてくれれば。いや、終わらなくてもいい、玄胞の正体だけでも戦争中に明かしてくれれば。いや、それすらもどうでもよくて、お願いだから麗羽のダメっぷりをもっと見せ(ryClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-37953586035369423012012-09-18T17:57:00.000+09:002012-09-18T17:57:32.224+09:00SSメモ:俺の人生ヘルモード<a href="http://ncode.syosetu.com/n2877u/" target="_blank">俺の人生ヘルモード</a>(侘寂山葵)<br />
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トリップものがいつもいつも作者の願望を映したような希望溢れる生ぬるい作品になると思うなよ!!と言わんばかりの、のっけからの鬼畜仕様……なはずだったわけですが、いつの間にかご都合主義に変わり気がつけば割りと強い力と心強い相棒を手に入れて、これから無双状態か!と思いきや、やっぱりそんなことなかったぜと次々試練が待ち受け、でも案外展開がテンプレート化してきてて、はいはいヘルモードヘルモード(笑)と安易にSSを読み進めていたら、底なし沼どころか奈落の穴に落とされてすいませんと全力で焼き土下座しているわけで、つまり何が言いたいかというと……。<br />
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パネェ。。。<br />
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あかんだろ、これ。俺の人生どころか皆の人生ヘルモードだよ。人生3回くらいやり直してもこの状況に放り出されたら間違いなく死ぬ自身があるよ。つーか一話にして主人公意外トリップ者全滅ってどうよ。テンプレどおり魔物に襲われてみました☆みたいなかわいいものじゃなくて巨人と虫に食い散らされたり、人間ボールにされたり、15禁タグの威力が遺憾なく発揮され、しかも死なないために立ち向かうとかではなくて、黒い沼に身を隠してひたすら耐えるとか、それなんてファンタジー……。<br />
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始まりからヘルモード全開で飛ばしまくってて大丈夫かよと思いましたが、ワシのヘルモードは108式まであるので大丈夫だ問題ない状態。問題ありすぎだ。所詮序盤のヘルさなんてただの前菜だったわけですよ。魔物が直に向かってくるだけましで、そもそも気づかないうちに捕食されたり、生きたまま栄養分にされたりがざらになる後半を見ると、あぁなんと平和な世界……じゃねぇよ……マジで……。<br />
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主人公のメイくん、よくもまぁ耐えれたものだわ……。いくら相棒が励ましてくれたり、いい仲間に恵まれたりしたとはいえ、こんなダンジョンに何度も潜り込む勇気とか湧かないって。しかもなんか黒幕っぽい人物に目をつけられて、狙われるはめになってるし。人生の難易度が変わり過ぎなのに、よくついて行けるなぁ。<br />
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メイだけではなく、さりげなくメイの仲間も度胸とか覚悟が相当あるんですよね。相棒たるドリーがメイと一蓮托生な覚悟をしていることはもちろん、ドランやリーンもメイを信頼しているし自分のできることをわきまえている。無理についていくことはせず、自分にできることをやるし、メイもそれを求めているものだから、こいつらのチームワークはすごい。だからこそ、そのチームワークが発揮できない状況においての絶望感が凄まじいわけですが。<br />
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しかもこのお話、ただただヘルモードがすごいだけではなくて、話の広げ方もすごい。起伏にとんだ展開とはまさにこのこと。ダンジョンの成り立ちも深く考えられているし、それに関するエピソードを外伝にすることで、徐々に徐々に本編が真実に近づき空気が張り詰めていく様子も直に味わえるし、何より物語の落とし方が異常にうまい。どこまで読者を絶望に叩きこめば気が済むんだ……。<br />
とりあえず現在の最新話は、絶望から軽く持ち上げている状況なので、次の話以降どれだけ下に突き落とされるか楽しみです。ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-5379564918293914185.post-84186438287521897622012-09-17T17:07:00.002+09:002012-09-17T17:07:51.737+09:00SSメモ:百万ゴールドの男<a href="http://esupa.xrea.jp/dq/1000000/" target="_blank">百万ゴールドの男</a>(テパコ)<br />
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お、おう。SS……だよな、これ。<br />
え、ちょっと待て、ドラゴンクエストⅢの縛りプレイをSSにするってどういうことだ!?(笑)<br />
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なんという奇作SS。<br />
しかしこれがまた実に面白いのなんの。<br />
ドラゴンクエストには様々な縛りプレイが存在しており、有名なもので一人旅、最短時間クリアなどがあります。このSSはその縛りプレイの内容を解釈して、そのままSSの設定に用いようというお話。なんという冒険。しかしこれを実際にプレイして、その内容をSSにしているのだから恐れ入る……。ちなみに縛りプレイの内容は「ゴールドとアイテムの使用禁止」と「一人旅」。両方共割りとオーソドックスな縛り内容なので、もしかしたら試しにやったことのある人もいるかもしれません。しかしこのプレイ内容をSSにしようと試みたことのある人がこの作者以外にいるのだろうかw<br />
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この縛りプレイに適切な解釈を施してSS世界における勇者の設定にしているわけですが、その解釈した内容が非常に上手い。ゴールドとアイテムの使用禁止という縛りは「勇者は父親の負債である借金100万ゴールドを返すために旅にでる。ただし旅の中で取得した換金可能なアイテムはすべて即道具屋で換金して借金返済に当てなければならない」という設定になり、なんというか主人公である勇者が見るのも不憫なくらい哀れです……。<br />
だって宝箱開けてアイテムだ! と思ったら換金しないといけない現実が待ってるんですよ。つまりつまり、たとえそれば貴重なアイテムだとしても、換金しなければならない! わかる人ならわかるであろう超便利アイテム「やみのランプ(夜にするやつ)」すらも! なんという鬼畜プレイ。勇者涙目どころか、魔王どこいった状態ですよ。<br />
ちなみに一人旅(一部物語に必須の場面では仲間を必要としますが)は「仲間の道具すらも無理やりぶんどって、1ゴールドすら掠めとる勇者に付き従う人なんていない」という設定になっています。鬼畜勇者っぷりが半端ないですが、まぁ莫大な借金している人の連帯責任になりかねない真似普通しませんよね……。<br />
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SS内での勇者の姿がこれまた涙さそうというか。<br />
まずアイテム使えないのはもちろん宿屋にすら泊まれないのでルーラで毎晩家に帰らなければならない。その上死んだら復活するものの持ち金が半分になるという恐怖。アイテムなしなので保険をかけて冒険ができない上、協会で毒を治すこともできないので、毒=死亡のカウントダウン。普通にゲームで縛りプレイしている時は、うげー、としか思いませんが、SSにされるとここまで心を痛めるような行為になるとは思いませんでした……。うおおおい、勇者頑張れ(涙)<br />
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淡々と進む物語。<br />
主人公の感情も非常に淡々としていて、モンスター倒した、アイテム手に入れた、借金を返済した、という単調なものが幾度も繰り返されるわけですが、ゲームを実際にプレイしているとそうなるのも当然という意識もあり、ほとんど飽きることはありません。それになんといってもストーリーが普通にしっかりと作られているのがいい! ゲームのストーリーなぞっているだけなんですが、そこにドラマ性を入れてSSっぽく仕上げているので、期待通りの予想斜め上というか、あぁ、なんだろうストーリー内には収まっているのに未知のワクワク感が通りすぎる感覚が、体中に駆け巡ります。<br />
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何よりもなぁ、世界の住人がNPCのように無機質なものかとおもいきや、それぞれ意志が存在するところが憎いところ。勇者の死を何度も目の当たりにする王様とか、都合上必要となる商人の存在とか、そしてなにより淡白で感情の起伏に乏しいプレイヤーの分身である主人公が、最後の最後で非常に人間らしい反応を見せるところとか。たしかにこいつらはこの世界で生きているんだと、そう思えます。おかげでもう縛りプレイが感情的にできなくなりそうなんですが、どうしてくれるんですか!ClownCathttp://www.blogger.com/profile/01752758980125478981noreply@blogger.com0