2013年2月27日水曜日

SSメモ:遊戯王GXへ、現実より

遊戯王GXへ、現実より(葦束良日)

にじふぁん時代は何回か読み返していた作品。最近になってまた発見したので、改めて読み返してみたらだいぶ伏線やら過去やらがいろいろ回収されていたので、これはもう感想を書かずにはいられないと思いたち、衝動書き。あれ、なんかにも似たようなことやったきがする。。。

はてさて、そんなことはさておき。遊戯王モノですよ、奥さん。あの原作からして破茶目茶で、アニメに至っては超展開満載な、だけれどもそれを楽しむ術さえ身につければ全てが面白くて仕方のないあの国民的カードゲーム(?)の遊戯王ですよ。なんでこんなテンション高いのかというと、自分が元OCG(現実のカードゲーム)のプレイヤーでして、何回かいろんな大会に出たりしてたからなんですよねー。そんなわけでして、人一倍遊戯王には関心があるわけです。

……が。

いかんせん、この手のジャンルを書くのってすごく難しいわけで。SSってゲームやスポーツを描写するのがすごく大変なんですよね。漫画だと一目見ればわかることを、延々と文字で描写しなければならないので。しかもこと遊戯王みたいなゲームになると、カードの効果とかも解説しないといけないわけで、読者が戸惑ってしまうわけです。正直並の遊戯王SSを見ても、大抵の読者はつまんないなーと思うかもしれません。さらにいえば、遊戯王は遊戯王デュエルモンスターズ、遊戯王GX、遊戯王5D's、遊戯王ZEXALなどアニメだけでも4つあり、全て総合すると登場人物は通常の作品の4倍、5倍にも膨れ上がり、カードの種類にいたってはOCG、アニメ、そして漫画それぞれのオリジナルのものがあるため、もはや覚えきれません。さすがカードの販売数でギネス記録を保有するだけのことはあります。……こう書いてて今更なわけですが、読者にも筆者にも結構厳しい作品ですよね。

とりあえず遊戯王自体の話はいいとして、SSの話に移りましょう。
このSSはアニメ第2シリーズである遊戯王GXを中心に話が展開するものです。たぶん一番二次創作SSの中でも多い設定なんじゃないでしょうか。同時にGX知らないよ、という人も多いですが。トリップ、オリ主という要素があるため毛嫌いする人も多いかもしれませんが、正直遊戯王SSの中でもトップクラスに面白いと思います。主人公の遠也がシンクロ召喚(アニメ第3シリーズの遊戯王5D'sで登場する新しいモンスター召喚方法)のテスターという設定もなかなかおいしい。この設定だけでGX時代にはなかったシンクロ要素をうまく溶けこませることに成功させています。

ストーリーは基本的にアニメ準拠ですね。原作主人公の十代がデュエルする場所で、代わりに遠也がデュエルすることも多いですが、それでも充分十代にも見せ場があります。遠也は俗にゆう親友ポジションに落ち着いているのかな? なので辺にでしゃばることもないし、十代や他のキャラが埋もれるということもないです。むしろ原作より三沢が輝いているのである意味では原作以上にキャラがいきいきしているかもしれません。
話が中盤になってくると、主人公の過去話や5D'sとの絡みが出てくるので非常に盛り上がります。ここでそのキャラか!!と思わせられることまちがいなし。事実、自分はびっくりしました。そして同時にやられた、とも思いました。そういう設定でそういうストーリー展開の方法があったのかと、ただただ関心しましたね。

現状は遊戯王GXの3期(1期が一年生、2期が二年生、3期が三年生前半)なんですが、これがまた重い話の連続なんですよね。鬱展開あり、闇堕ちあり、多方面同時ストーリー展開あり、というアニメ史上でも稀にみるシリアス具合。ある意味では自分がもっとも好きなパートなんですけど、ここをどう描ききるのか非常に気になっています。またついに主人公の過去話も明かされ、初代主人公遊戯の圧倒的強さも解禁されたので、これからどうなっていくのか全く話が読めません。今後目の話せない展開になることが容易に想像されるので、これからちょっとずつ覗いていきたいと思います。