2012年9月19日水曜日

SSメモ:真・恋姫†無双で部下をやってます

真・恋姫†無双で部下をやってます(BBB)

駄目人間に仕える快感を教えてくれる恋姫SS。


……いや、冗談ですからね? そんな「何このマゾ、ひくわぁ……」って視線で見ないでくださいよ。ビクンビクン。


とまぁ、それはさておき。
恋姫SSの中にはこのSSのようにたまーに袁紹とか袁術とかに仕えるSSがあるんですよねー。主人公が一刀くんかオリ主かで別れるかは別として。最初の頃はそうしたSSを敬遠していたんですが、このSSを読んで以来、すっかり駄目人間の素晴らしさに気が付きましたよ。オリ主モノなのにすっきり読めたのも大きいかもしれません。なんというか、ダメなのが逆にいいんですよねー。自分がしっかりしなきゃという意識と、どうにもならない現実の狭間で苦悩する姿に、共感を覚えるというか、人生そんなうまく進まないよねーという気持ちが湧いてくるというか。

主人公玄胞のほどよいチートさもこれまたいい具合に働いています。内政に干渉して成果はあがったものの、腐った役人をところかまわず放り出したせいで逆に自分が苦労することになってるあたり、なんか人間らしいお茶目さを感じる。人を見る目がいいという特徴はあるものの……はてさて、いろいろ伏線がはられていて、これは果たして人を見る目がいいのか……はたまた識っているのか……。ある意味でこの程度でぼかされると、非常に気になって続きが読みたくなるんですよね。明らかな伏線とわかりつつも、早くその伏線を回収してほしいと思うのなら、それは既に伏線の役割を果たしたと言ってもいいんじゃないでしょうか。

このSSのいいところは、ダメ下(ダメな人間の下の略)に仕える多くのSSが君主を諭して本来のキャラから外そうとすることが多いのに対し、きっちりそのあたりは線をひいてちゃんと原作の麗羽というキャラを崩さずに描いていることですね。いやぁ、まさしくこの作品の麗羽は麗羽だ。まごうことなき麗羽であり、玄胞が必死で交渉していることを努力の甲斐も虚しく0にしてしまうあたり、原作とほぼ変わりない馬鹿で自尊心溢れ、曹操を敵視している。麗羽の違和感が本当皆無なわけで、変な過去を捏造したり、よくわからない解釈をしたりしないところが、また評価を上げるポイント。麗羽はあの馬鹿っぽさがいいんですし、ダメ下に仕える系のSSなのに、駄目人間を更正させるのはよくないと思うんです、うん。

ストーリーの方は、今が完全に佳境。
というか、正直話数的にここまで連載している割に、これほど展開の遅いSSも珍しいものです。以前紹介した「とんでも外史」なんかはそもそも黄巾の乱が集結してませんが、それと同じくらい遅いです。序盤がかなり丁寧で、この時点からいろんなキャラを動かしているのですからそうなるのも当然なんですが。
しかし、ようやく反董卓連合に入り、ようやく玄胞の反撃が始まり、ようやく玄胞の招待がちらほら見えてくる、というところでにじファン閉鎖騒動に巻き込まれたので、うぉおおおおいってリアルで叫びますよ、そりゃ。

そろそろまた更新こないかなー、と待ってはいるんですが、このままエターナルなコースに突入しそうで怖い気持ちもあります。長期停滞の後の1話更新は本当こわい。BBBさん、頑張ってほしいな。せめて反董卓連合編だけでも終わらせてくれれば。いや、終わらなくてもいい、玄胞の正体だけでも戦争中に明かしてくれれば。いや、それすらもどうでもよくて、お願いだから麗羽のダメっぷりをもっと見せ(ry