2012年9月21日金曜日

SSメモ:Eternal Snow

Eternal Snow(神室儀)

俺が、俺達が、U-1だ!!

いや、いきなりこいつ大丈夫か?みたいに思わないで下さいね。なんというか改めてこのSSを見なおして最初に出てきた感想があまりにもこの言葉通りだったので、ちょっと衝動的に書いてしまいました。本来ならもっと熟考して推敲してその上でSSメモを載せているのですが、どうにもこの言葉だけは消せませんでした。それくらい我ながら的確な感想だったわけです。

さて、前置きからもわかるように、このSSはいわゆるU-1系の鍵作品です。それも鍵以外のブランドも含めて5作品くらいクロスオーバーさせた、ようするにごった煮ファンタジーSSです。クロスオーバーというだけで忌避する人がいるかもしれませんが、大丈夫です。

このSSはU-1ものです。
ようするに、原作なぞ知らなくても読めます(

というかU-1ものになると、原作に沿った展開している方が面白くなくなります。キャラだけを借りたほぼオリジナルSSと見ていれば、普通に楽しめます。もちろん原作知っているとより具体的にイメージできるので楽しめるかもしれませんが。鍵作品で繰り返し読みたいSSって大抵が巷でU-1と言われる作品になってしまうんですよね。母数的にもおそらく多い方のジャンルでしょうし。でも特別そういった要素が好きな訳ではなくて、どちらかといえばそういったテンプレは遠慮したい側です。流行の転生トラックとか神様転生とか、正直なところその要素いらないんじゃないかと常々思っていますし。
ただ、そうしたSSの中でもまた改めて読み直したいと思えるSSがあるのは、純粋にそのSSがファンタジー(あるいはSF、あるいは普通の現代作品)として魅力的な世界観を作っているからなんですよね。結局のところ、どんなにテンプレートで陳腐な展開をしていようが、面白いSSであれば問題ないわけですよ。それこそ二次創作なんて始まり方がたいてい同じなわけですし。で、かなり遠回りになってしまいましたが冒頭の感想はどういう意味かというと、

このSS、主人公的な存在が5人いて、皆がU-1っぽく魔改造受けてます(笑)

いや、意味がわからないかもしれませんが、実際そうなんです。KanonからU-1こと祐一くんと一弥くん、ONEから折原くん、ダ・カーポから純一くん、それ散るから舞人くんが出演しているという、時代を物語っているようなこのメンツ。こいつらがそれぞれ違う地域を舞台に、活躍していくわけですが、これが面白いの何の。っていうか祐一以外馬鹿しかいないせいで、こいつ1人万年苦労人になってるんだけどw ブラコンにシスコンに唯我独尊が二人。哀れ、祐一。姿隠して戦ってるくせに、苦労人じみたところがにじみ出てるよ、あんた……。

学園もので、強さにランクがあって、世界に人類の敵が存在し、主人公達かなり力があるけど学園では隠してて弱者に見られてるという、これでもかと厨二要素を詰め込んでいます。しかも復讐のために力をつけているという設定なので、サスケェも顔負けです。もっともだからといって作品の空気が暗いかと言われるとそうでもなく、どの主人公もさすがの主人公であると思わせるほど、いろんな意味で明るいんですよね。

物語は第一部終了といったところ。この展開がまた憎らしい。というかこの展開がなければ、繰り返し読みたいとは思いませんでした。第2部は主人公たちがこれほどまでに明るくなれるきっかけを与えた2人の先輩たちが紡ぐお話です。クロスオーバー作品がこれでまた一つプラスされるわけですが、これくらい開き直って独自に展開してくれるのならこれはこれでありだと思います。連載さえ止まっていなければなっ!!!