ドラゴンクエストUSB(ファイヤーヘッド)
ふ、ふはは、あはははは!!! チャレンジャーだ。生粋のチャレンジャーがここにいる。よくもまぁ自分で黒歴史と認識しているものを公開できるものだ(褒め言葉)。USBに忘れ去っていたというところから来たであろう安直な題名を恥ずかしげ無く披露し、全てを開き直って全力で石投げてこいというウェルカムな状態まで開き直るその勇気、まさに尊敬に値する。しかもおそらく内容はほとんど修正していないのだろう、こういうの妄想したことあるなーというネタや展開がピンポイントに仕込まれていて、これだけオープンであるなら「痛いwww」と笑うよりむしろ「同じ妄想したことあるぜwww」という気持ちが強くなって、次々読み進めてしまう。これほど痛面白い作品がほかにあるだろうか。
本作品「ドラゴンクエストUSB」は「今のはメラゾーマではない・・・メラだ・・・」のセリフで有名なバーン様が登場する漫画「ダイの大冒険」の二次創作SS。ダイの大冒険自体がドラクエの二次創作なので、もしかしたらドラクエの三次創作といったほうが適切なのかもしれません。逆行・主人公最強・TSとまさにSS全盛期の地雷原がマッハですが、まぁそこまで気になるほどの原作崩壊は少ないのでたぶん普通に読むことはできます。というか普通におもしろいので何度でも読めます。SSってどんなに地雷要素があっても面白く調理しようと思えばできるのだなぁ、と感じさせてくれる素晴らしい作品。ここでもう一つ「普段は力を隠して……」という設定を入れればもう完璧でしたね!() そもそもこれらの要素って時代を作ってきたわけですから面白く無いわけがないのですが、やはり同じネタをどこらかしこもやっていると差別化が必要なわけで。地雷ネタをそのまま使うのではなくて、何かしら工夫を施すだけでかなりいいSSができると思うのですがどうなんでしょう。誰かやってみません?(
ストーリー自体はすこぶる逆行系の王道で、最強無双、原作沿い展開、主人公支援とまさにSS懐古厨至れり尽くせりの内容。この古き良き設定が、また厨二心と黒歴史妄想を掻き立てる掻き立てる。圧縮→威力増のコンボはもはや鉄板。魔闘士というネーミングと併せてこれはもう厨二乙、でも面白いからもっとやれ、と言わざるを得ません。主人公はポップの生まれ変わりの少女セラであり、彼女が逆行することで物語がスタートします。当然過去の世界にはポップがいるわけで、セラから見たポップがすごく面白い。過去の自分を見るとまさにこういう気持ちを抱くんだろうなと感じます。仲間とのやりとりも、適度な距離感と信頼感があり、そして何よりポップがセラを疑っているという話のもっていきかたは個人的に逆行系の中でも一番バランスのとれた配分だと感じます。まぁ、ここは人それぞれ感覚は違うでしょう。がっつり原作メンバーに関わるのが好きな人がいれば、原作に関わらないまったく別物の展開の方が好きな人もいるでしょうし。自分は面白ければどっちでもいい派ですけど。
それにしても、誰がどう見ても黒歴史な内容なのに、どうしてこれほど面白くできるんでしょうね。これってかなり重要なことです。正直初めて読んだ時は失礼ながらここまで読み返すとは思っていなかったです。でもいつの間にかふとした時に読み返していたり、ドラクエSSが読みたい衝動に駆られた時はちらっと見たりしているので、本当不思議。痛面白い作品に惹かれているのか、作者の筆力の高さに感心しているのか。真実はいつも謎。ただ言えることは、このSSが逆行王道系として一度は必ず目を通したほうがいい作品であるということ。これ読んで、どこが地雷要素なのか、どこが受ける場所なのか研究すれば、そこそこ作品の質があがると思います。なにせ王道突き進んだ作品ですから。
ん? なに? 逆行系の王道だったら原作主人公のダイが逆行すべき?
……。
ダイの大冒険の主人公はポップです。
2013年4月10日水曜日
2012年9月17日月曜日
SSメモ:百万ゴールドの男
百万ゴールドの男(テパコ)
お、おう。SS……だよな、これ。
え、ちょっと待て、ドラゴンクエストⅢの縛りプレイをSSにするってどういうことだ!?(笑)
なんという奇作SS。
しかしこれがまた実に面白いのなんの。
ドラゴンクエストには様々な縛りプレイが存在しており、有名なもので一人旅、最短時間クリアなどがあります。このSSはその縛りプレイの内容を解釈して、そのままSSの設定に用いようというお話。なんという冒険。しかしこれを実際にプレイして、その内容をSSにしているのだから恐れ入る……。ちなみに縛りプレイの内容は「ゴールドとアイテムの使用禁止」と「一人旅」。両方共割りとオーソドックスな縛り内容なので、もしかしたら試しにやったことのある人もいるかもしれません。しかしこのプレイ内容をSSにしようと試みたことのある人がこの作者以外にいるのだろうかw
この縛りプレイに適切な解釈を施してSS世界における勇者の設定にしているわけですが、その解釈した内容が非常に上手い。ゴールドとアイテムの使用禁止という縛りは「勇者は父親の負債である借金100万ゴールドを返すために旅にでる。ただし旅の中で取得した換金可能なアイテムはすべて即道具屋で換金して借金返済に当てなければならない」という設定になり、なんというか主人公である勇者が見るのも不憫なくらい哀れです……。
だって宝箱開けてアイテムだ! と思ったら換金しないといけない現実が待ってるんですよ。つまりつまり、たとえそれば貴重なアイテムだとしても、換金しなければならない! わかる人ならわかるであろう超便利アイテム「やみのランプ(夜にするやつ)」すらも! なんという鬼畜プレイ。勇者涙目どころか、魔王どこいった状態ですよ。
ちなみに一人旅(一部物語に必須の場面では仲間を必要としますが)は「仲間の道具すらも無理やりぶんどって、1ゴールドすら掠めとる勇者に付き従う人なんていない」という設定になっています。鬼畜勇者っぷりが半端ないですが、まぁ莫大な借金している人の連帯責任になりかねない真似普通しませんよね……。
SS内での勇者の姿がこれまた涙さそうというか。
まずアイテム使えないのはもちろん宿屋にすら泊まれないのでルーラで毎晩家に帰らなければならない。その上死んだら復活するものの持ち金が半分になるという恐怖。アイテムなしなので保険をかけて冒険ができない上、協会で毒を治すこともできないので、毒=死亡のカウントダウン。普通にゲームで縛りプレイしている時は、うげー、としか思いませんが、SSにされるとここまで心を痛めるような行為になるとは思いませんでした……。うおおおい、勇者頑張れ(涙)
淡々と進む物語。
主人公の感情も非常に淡々としていて、モンスター倒した、アイテム手に入れた、借金を返済した、という単調なものが幾度も繰り返されるわけですが、ゲームを実際にプレイしているとそうなるのも当然という意識もあり、ほとんど飽きることはありません。それになんといってもストーリーが普通にしっかりと作られているのがいい! ゲームのストーリーなぞっているだけなんですが、そこにドラマ性を入れてSSっぽく仕上げているので、期待通りの予想斜め上というか、あぁ、なんだろうストーリー内には収まっているのに未知のワクワク感が通りすぎる感覚が、体中に駆け巡ります。
何よりもなぁ、世界の住人がNPCのように無機質なものかとおもいきや、それぞれ意志が存在するところが憎いところ。勇者の死を何度も目の当たりにする王様とか、都合上必要となる商人の存在とか、そしてなにより淡白で感情の起伏に乏しいプレイヤーの分身である主人公が、最後の最後で非常に人間らしい反応を見せるところとか。たしかにこいつらはこの世界で生きているんだと、そう思えます。おかげでもう縛りプレイが感情的にできなくなりそうなんですが、どうしてくれるんですか!
お、おう。SS……だよな、これ。
え、ちょっと待て、ドラゴンクエストⅢの縛りプレイをSSにするってどういうことだ!?(笑)
なんという奇作SS。
しかしこれがまた実に面白いのなんの。
ドラゴンクエストには様々な縛りプレイが存在しており、有名なもので一人旅、最短時間クリアなどがあります。このSSはその縛りプレイの内容を解釈して、そのままSSの設定に用いようというお話。なんという冒険。しかしこれを実際にプレイして、その内容をSSにしているのだから恐れ入る……。ちなみに縛りプレイの内容は「ゴールドとアイテムの使用禁止」と「一人旅」。両方共割りとオーソドックスな縛り内容なので、もしかしたら試しにやったことのある人もいるかもしれません。しかしこのプレイ内容をSSにしようと試みたことのある人がこの作者以外にいるのだろうかw
この縛りプレイに適切な解釈を施してSS世界における勇者の設定にしているわけですが、その解釈した内容が非常に上手い。ゴールドとアイテムの使用禁止という縛りは「勇者は父親の負債である借金100万ゴールドを返すために旅にでる。ただし旅の中で取得した換金可能なアイテムはすべて即道具屋で換金して借金返済に当てなければならない」という設定になり、なんというか主人公である勇者が見るのも不憫なくらい哀れです……。
だって宝箱開けてアイテムだ! と思ったら換金しないといけない現実が待ってるんですよ。つまりつまり、たとえそれば貴重なアイテムだとしても、換金しなければならない! わかる人ならわかるであろう超便利アイテム「やみのランプ(夜にするやつ)」すらも! なんという鬼畜プレイ。勇者涙目どころか、魔王どこいった状態ですよ。
ちなみに一人旅(一部物語に必須の場面では仲間を必要としますが)は「仲間の道具すらも無理やりぶんどって、1ゴールドすら掠めとる勇者に付き従う人なんていない」という設定になっています。鬼畜勇者っぷりが半端ないですが、まぁ莫大な借金している人の連帯責任になりかねない真似普通しませんよね……。
SS内での勇者の姿がこれまた涙さそうというか。
まずアイテム使えないのはもちろん宿屋にすら泊まれないのでルーラで毎晩家に帰らなければならない。その上死んだら復活するものの持ち金が半分になるという恐怖。アイテムなしなので保険をかけて冒険ができない上、協会で毒を治すこともできないので、毒=死亡のカウントダウン。普通にゲームで縛りプレイしている時は、うげー、としか思いませんが、SSにされるとここまで心を痛めるような行為になるとは思いませんでした……。うおおおい、勇者頑張れ(涙)
淡々と進む物語。
主人公の感情も非常に淡々としていて、モンスター倒した、アイテム手に入れた、借金を返済した、という単調なものが幾度も繰り返されるわけですが、ゲームを実際にプレイしているとそうなるのも当然という意識もあり、ほとんど飽きることはありません。それになんといってもストーリーが普通にしっかりと作られているのがいい! ゲームのストーリーなぞっているだけなんですが、そこにドラマ性を入れてSSっぽく仕上げているので、期待通りの予想斜め上というか、あぁ、なんだろうストーリー内には収まっているのに未知のワクワク感が通りすぎる感覚が、体中に駆け巡ります。
何よりもなぁ、世界の住人がNPCのように無機質なものかとおもいきや、それぞれ意志が存在するところが憎いところ。勇者の死を何度も目の当たりにする王様とか、都合上必要となる商人の存在とか、そしてなにより淡白で感情の起伏に乏しいプレイヤーの分身である主人公が、最後の最後で非常に人間らしい反応を見せるところとか。たしかにこいつらはこの世界で生きているんだと、そう思えます。おかげでもう縛りプレイが感情的にできなくなりそうなんですが、どうしてくれるんですか!
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